雪の峠を越して、おだやかな気候になる。実家の義母が湯の里へショートステイに出かける。この3日間は施設の管理に任せられるので安心だ。わが家の室内には、クンシランが大きな花を咲かせ始めた。未開の蕾が5,6個あるから、満開になると見事な花になるだろう。
窓の外には雪があり、森の木には今も凍てついた氷雪が着いている。そんな季節に室内で花を見ることは、楽しいことだ。鉢のなかで花を育てるののは、ペットを飼う気分に通じている。花を観賞するというより、花ととも生きるという気分である。
雪のなかで森の木を見るときも、その冬芽に生きている木を感じる。こんな感覚が日本に伝わっている、自然と生きる、あるいは自然に生かされているということなのかも知れない。
クンシランの生命力は旺盛である。根の先から新しい株を次々に生み出す。それゆえ、植えつける鉢は大型になる。3、4月に花をつけるが、株分けした鉢は真夏に花を咲かせることもある。根は空気を好み、鉢の上に白く跳ね出してくる。この鉢は以前親しくしていたYさんから頂いたものだ。
君子蘭の鉢を抱へる力なし 阿部みどり女