明日の天気予報に雪マークを見ながら尾花沢に行ってきた。親戚の家の庭木に冬支度がしてあった。金沢など温暖なところでは縄による雪吊りが冬の風情を見せるが、この地方では縄のかわりに太い丸太が使われる。あまりの多い積雪には、縄の雪吊りでは耐えられないからだ。風除けは、かってのような家の囲いは見られない。そのかわり、玄関の前に風除室が設けられている。
月山に雪きていそぐ雪囲い 土屋 巴浪
数年前から親戚の畑にヤーコンの苗を持ち込んで栽培して貰っている。今年のできは、一番よかったようだ。大きなヤーコンが根の周りに鈴なりである。米を入れる紙袋に4袋、持ちきれないほどのヤーコンを運んできた。この冬から春にかけて、ヤーコンをサラダや金平で楽しむ。雪深くに住む人ほど優しい心を持っている。親戚のSさんは、一年間ヤーコンの成長を管理してくれて、今日は畑からヤーコンを掘り、山のきのこを採って待っていてくれた。「雨のなかで、ヤーコン掘りも大変だと思ってな」ほかに、サツマイモ、青菜、赤カブなど我が家の小さな車には詰め切れないほど秋の収穫を持たせてくれた。
一昨年に妻を亡くし、独身の息子との二人暮らしである。息子は森林組合の仕事を始めた。あまり話をしない青年であったが、人が変わったように山の話をする。木の成長を確かめ、この山には何%の伐採木があるか調査をする仕事だという。どこの山にきのこがでるか、詳しく話してくれる。ほんの趣味できのこを採るが、そんな山奥に入るのは危険である。日曜日、青年は久しぶりに話し相手を得たためか、お茶を何杯のお変わりしながら話を聞いた。