お寺の境内に枯葉が休みなく散り落ちる。箒で落ち葉を掃き集めている人がいるが、掃いた後にも同じように降りそそぐので、あっという間に掃く前と同じように落ち葉が広がっている。「掃くほどに風がもてくる落ち葉かな」という句そのままの情景である。お寺の檀家の手伝いだろうか、どの顔にも掃くあとから散ってくる落ち葉にあきらめの表情が見える。
大正時代の幼年唱歌に「木の葉」がある。
1 散るよ 散るよ。
木の葉が散るよ。
風も吹かぬに
木の葉が散るよ。
ちら ちら ちら
ちら ちいら ちら
2 飛ぶよ 飛ぶよ。
落ち葉が飛ぶよ。
風に吹かれて
落ち葉が飛ぶよ。
ひら ひら ひら
ひら ひいら ひら
こんな唱歌を覚えているひとも少なくなったのではないか。文庫で歌詞と楽譜は載っているが、ネットの検索でもこの歌を聴くことはできない。