ものの本によると、八手の南限は東北南部というからこの地方から北にはないのかも知れない。もっとも昨今の温暖化で、北にその限界を変えたのだろうか。日影でもよく成長するので、建物の影や庭木として植えられている。雪の前に、葉に比べると小さな五弁の白い花をたくさんつける。花がなくなっていく時期だけに奥ゆかしい感じがする。
花八ツ手農家にはまだ外厠 清水 幸子
八手は葉が大きく茂るから、前に植えて厠を隠す役割も果たしていた。さすがに、このごろはこんな光景も見られぬが、句が詠まれたのは多分昭和の時代でその面影を偲ぶよすがになるであろう。
きょうは気温が下がってさらに季節が深まっていく感が強いが、外にでると庭は街路に秋の名残の花がけなげに咲いている。さすがに木の葉は落ちつくして、柿の実に小鳥が集まっている風景も懐かしい。カメラを手にしながら近辺を散策するもの楽しい。