きのうブナの林の中でホトトギスが鳴くのを聞いた。ちょっと自信がなかったので、同行したAさんに聞いてみた。「あの声、ホトトギスですか。」「ええ、多分。」と答えが返ってきた。同じ声が、我々が歩くのについてくるように、10分以上聞こえていた。やがて、聞き慣れたウグイスの鳴き声が聞こえてくると、ホトトギスの声は聞こえなくなった。
「ほととぎす、おれ、かやつよ。おれ鳴きてこそ、我は田植うれ」
清少納言が加茂参詣の途中山里に見た光景は、たくさんの笠をつけて女がホトトギスが鳴くのに合わせて歌うところだ。現代語に訳すと、ほととぎすのやつめ、あいつが鳴くおかげで、あたいらはえらい目をして田植えしなきゃならない、となる。随分と口汚い歌ではあるが、田で苗を植える労働女からは、こんな言葉が口をついて出たのであろう。
清少納言とホトトギスといえば、自ら「誰よりも早くホトトギスの鳴き声を聞きたくて、夜も寝ずに待っていた」と書くぐらい入れ込んでいた。
「テッペンカケタカ」というのはホトトギスの鳴き声をこんな風に聞いたのだが、「特許許可局」というののもある。キョ、キョ。キョツ、キョ、キョ。こんな風に聞こえるから、テッペンカケタカ」というのは、どうも違うような気がする。ネットでホトトギスの鳴き声の録音を聞いてみると、きのう聞いた声はホトトギスに違いない。
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