台風が去って、夏の強い日差しが戻ってきた。春大きな花をつけた桐は、実をこんなにも大きくした。雨が降り、根は地中の水や養分を吸い上げる。その平凡な営みが結実をもたらす。山中に行って思うことは、山道が腐葉土になってふかふかとして歩きやすく、山中には植物の営む香りが充満していることだ。
中国の詩人は、その木の営みを詠んでいる。
落紅は是れ情無きものにあらず
化して春泥と作り更に花を護る
それは木の営みにとどまるものものではない。すでに成年を終え、老年にある人生においてもこのことはあてはまる。自分が育てた子どもたち、勤めていた職場の後輩のなかにみごとな花を咲かせてくれることも期待できる。すべかく生き物は、先にあったものを養分として生きていくものである。
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