常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

曼珠沙華

2015年09月21日 | 


曼珠沙華はサンスクリット語の、マンジュシャカ。仏界の天国に咲く花である。村の墓地に続く細道に、真っ赤な花を咲かせる。彼岸のころに咲くので、彼岸花とも呼ばれる。もう40年も前になるが、父が亡くなって、納骨の時、沼津の寺に赤い曼珠沙華の花が咲いていた。その時の印象が鮮やかで、そんな遠い日の記憶が今もはっきりと残っている。

曼珠沙華ふしぎは茎のみどりかな 長谷川双魚

曼珠沙華に葉がないのは、この植物の繁殖の特異性にある。地中の鱗茎から花茎が出て花が咲き花が終わると長い緑葉が出てくる。この葉で光合成をして、地中の球根を分裂させて多くの子苗を作って増やしていく。誰も手入れしなくとも、曼珠沙華の群落が野一面に広がっていく仕掛けである。

昭和20年代であったと思う。「赤い花なら曼珠沙華、オランダ屋敷に雨が降る」という歌謡曲があった。子どもながらに、曼珠沙華はどんな花か知りたいと思った。葉はなく、赤い花だけが怪しく咲き乱れる。天国に咲く花と言われるだけあって、お寺の庭に似つかわしい花である。

午後お彼岸の墓参りにお寺へ行く。朝、見つけた畑の近くのものより、立派で咲き始めの曼珠沙華を発見、早速撮影して写真を入れ替えた。穏やかな天気で、墓参りも気持ちよく終わった。

コメント (2)
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