石楠花
2016年04月21日 | 花
朝の散歩の途中に、大きな石楠花を植えているお宅がある。そろそろ花をつけたのではないかと足を延ばしてみた。すると、木にある花芽という花芽が見事な花をつけて、満開であった。山の石楠花を見る前に、住宅街で山の花を見る至福を得た。庭の花は、そこの家人が愛してやまないものであろうが、通りすがりの人々の目を楽しませる存在である。このお宅の庭も、2、3年前に初めて見たのだが、花の季節になると、「そういえばあそこのお宅の石楠花は咲いただろうか」などと、想像をたくましくして、散歩の足を延ばす。
空の深ささびし石楠花さきそめぬ 角川 源義
石楠花は高山に咲くため、季語は夏になっている。角川源義がさびし石楠花と表現したのも、山に咲く石楠花であろう。里に栽培されている石楠花は、八重桜のころ、百花繚乱の春の花の一部になっている。同じ桜でも、西蔵王の高地に咲く大山桜は、これからが見頃である。八重桜の豊穣、サツキの清楚、菜の花の可憐、春の一番いい花の季節である。