常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

夕陽

2021年06月01日 | 日記
先刻見た夕陽は、今年見たなかで一番美しい夕陽だったような気がする。夕陽が美しく見えるには、さまざまな条件があるだろう。やはり、くっきりとした青空、空気が澄んで近くの山がくっきりと見える、くわえて夕陽に映える適度な雲。季節が進むと、落ちていく山並みも日々異なっている。ふと思うのは、海に沈む夕日だ。住んでいるところは山にか囲まれた盆地なので、海に沈む夕日を見るためには、車で100㌔も走らなければならない。それだけに、夏、あの芭蕉が見た酒田の海に落ちる夕日を見るのことができるか、心もとない。

暑き日を海に入れたり最上川 芭蕉

明治の詩人に堀口大学がいる。大正になって、堀口の父は外交官となって南米各地に赴任した。同行した大学は、リオデジャネイロで「夕ぐれの時はよい時」という一篇の詩を書いた。夕焼け空を見上げると、その人の境涯や、土地のあり様をこえた思いがこみ上げてくる。そんな詩を読むと、人は悲しさを忘れることができる。

夕ぐれの時はよい時。
かぎりなくやさしいひと時。

それは季節にかかはらぬ、
冬ならば暖炉のかたはら、
夏ならば大樹の木かげ、
それはいつも神秘に満ち、
それはいつも人の心を誘う

明日は、久ぶりの山行。酒田の海を見ながら、温海岳に登る。きれいな夕陽は明日の晴天を約束してくれる。
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