花の名にあまり興味がなかった。無数にある花の名を覚えたところで意味があるのか。どうせそのうちに忘れてしまうだろう、くらいの気であった。ブログを書くようになって、散策しながら写真をとることが多くなり、名前を知りたくなった。花を書くブログを拝見しても自由に花を名を書かれていて羨ましくもある。花の辞典や、グーグルカメラで検索する機会も増えた。しかし、一度検索してもしばらく経つとやはり忘れてしまう。花の通にはなれそうもない。
散歩をしながら、珍しい花にあったとき、どうしても名を知りたい花がある。昨年、公園で見たマロニエ。歌にまで歌われている花であったことを知ることは感動である。つい先日見かけた風蝶草、クレオメも衝撃的であった。北海道に住む方から、当地でもクレオメが咲いたことを知らせてくれた。花の名を媒介にして、メールでお話できる機会も生まれる。
昨日見たセンニンソウも名を知りたくなった花である。グーグルレンズでは何と、センニンソウ。実をつけると、仙人のような長い髭を垂らすらしい。テッセンの仲間でクレマチスともいう。トケイソウやカザグルマも仲間だから、それほど珍しくないのかも知れない。但し、センニンソウの花期は8月から9月で、野山に自生しているという。こうして、つい忘れてしまう花の名を身につけることは、自らの心の生活を豊かにするような気がする。
窓に咲いたダーリア。
窓から入って来る蝶。
私の眺めている雲、高い雲。 (三好達治「測量船」)