雁戸山のアクシデントから1ヶ月、朝日町の大頭森山に行ってきた。本来の計画であれば、月山を越える六十里越街道を予定していたのだが、我が儘を言って、歩きの少ない大頭森山に変更してもらった。ひと月も山を歩かずに、いくら歩きの少ない処といえ不安が頭をよぎった。山中の道を駐車場に車を置いて、頂上までは30分と少しである。山のブナ林は、すっかり夏の装いである。少し勾配のある山道から、小さな道跡がある。この季節、笹の繁みを潜り、根曲がり筍を採りに入る道らしい。長く伸びた笹タケがあちこちに見えている。30分と少しで、頂上に出る。背の高い展望台がひとつ建っている。頂上の広場には、伸びかけたワラビがたくさん出ていた。気の置けない仲間が9名、ビニール袋を持ってワラビ採りに余念がない。展望台から360℃の展望では、月山から朝日連峰のパノラマが圧巻だ。やはり、家の籠らずに、こうした野外に出ることで気分は爽快になる。
遠き峰動かぬままに人は老い 森村誠一
昨年の夏縦走した朝日連峰の峰々が間近に迫っている。この光景を見ながら、昨年に登ることができて幸運だったと、つくづく思った。一つ逃せば、もう二度とこの縦走路を踏むことはできない。残された飯豊本山は、もう行けない峰となった。これからできることは、深くゆっくりとした呼吸。このことを肝に銘じて日々を過ごす。ものの本によれば、その効用についての言及がある。
①セレトニン神経の活性化によって元気になる
②自律神経のバランスにより循環器系、内分泌系、免疫系機能の調節を行い、ホメオスタシス(恒常性)の維持をもたらす
③ガス交換を活発化させ疲労を回復させる
④腹腔内を刺激し、消化、分解を促進する
⑤意識覚醒を高める
⑥痛みを抑える
➆筋活動を支える
➇α波が出て、落ち着き、リラックスさせ集中力が高まる
深く、ゆっくりとした呼吸を取り入れることで、これだけの得難い効用がある。高齢になったいま、これに日々取り組んでいくことは大事だ。