楯岡から北へ行くと、気候がまったく違うことに気づく。これは山形県のほぼ中央に聳える月山と葉山があるためであるようだ。つまり、日本海でできた雪雲が、2000m級の月山と葉山にぶつかって雪を降らせ、その内側にある村山盆地には雪を降らせない。葉山の北の隙間から、北村山と最上には遮るものがなく雪を降らせる。単純な話であるが、北村山、最上、新庄地区は豪雪地帯である。
尾花沢で錦鯉を飼っている人がいる。家の前には、地下水を汲み上げた池がある。地下水は水温が高いために氷ることがない。話を聞くと、池には橋をかけて雪がかからない部分もあるという。鯉たちは、身を寄せ合うように、雪の庇のかげに集まっている。一体何尾いるのか、数え切れない数である。濁りのない地下水で、水はあくまで澄み、鯉の模様の色が際立って見える。
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