常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

地蔵盆

2020年08月24日 | 日記
昨日、処暑。暑さがおさまっていく季節らしいが、日中の気温は35℃を前後する毎日だ。朝、晩には虫の音が聞こえ、心なし秋の気配を感じてはいるが、この日中の暑さには、閉口してしまう。今日は、地蔵さんの縁日。地蔵盆である。村はずれにあるお地蔵さんに、お菓子や花をお供えする風習があったらしいが、この日が来てもそんな光景には、とんとお目にかかれない。

そう言えば、この春、山の会で肘折温泉の地蔵倉に行った。登山というには、林のなかを少々歩く程度であったが、急峻な崖道の岩の窪みに地蔵さんが置かれていた。確か、六体あったような気がする。狂言にも「六地蔵」というのがあって、六種類の地蔵さんが、苦しんでいる子どもや村人のために、それぞれの力を発揮して助けてくれる。

地獄道の檀陀、餓鬼道の宝珠、畜生道の宝印、修羅道の持地、人間道の除蓋障、天道の日光。この六体のお地蔵さんは人の死後に行く六つの道で、人々の苦しみを救ってくれる、という信仰である。「六地蔵」という狂言は、田舎者が京に出て、仏師を探し、六体のお地蔵さんを彫ってもらおうと出かける。それを騙して、金を盗ろうとする「すっぱ」(詐欺師)との掛け合いである。仏師を探していると言うのを聞いて、「われこそ真仏師」と名のり出るすっぱ。
田舎者はマムシと聞き違えてしまう。こんなかみ合わない、田舎者と詐欺師の面白おかしいやりとりが、笑いをさそう狂言だ

この暑さも、台風が去って行く来週の後半には収まってくる。台風などのあまり来ない穏やかな秋が待ちどおしい。
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