役所の広報と化した「記者クラブ」

粟野仁雄
役所の広報と化した「記者クラブ」

取材したい会見があると、記者クラブ幹事社のはるか年下の記者たちに頭を下げ、出席させてもらう。二〇〇六年五月、「申し込みが遅くなりましたが今日の会見、同席させてください」と足を運んだのが、お世話になっている大阪司法記者会。大新聞社のベテラン記者が、「いまごろ何や、各社の了解を取ったり会見する人の許可も取らんとあかんのや。その日に申し込むとは何事や」と、激しく詰りだした・・・

記者は官僚以上の官僚体質
・・・ところが出発直前の厚生省記者クラブでの打ち合わせの際、同クラブ員のあるベテラン記者が、あれをするな、これをするな、こういう取材はクラブ協定違反だ……と、まくし立て出した。私たちに対し厚生官僚以上に、同行取材の注意事項を、まあよくぞ考え付くなと思うほど並べて説教した・・・

「様子を見て来ます」とあるデスクに告げると、「なぜクラブを離れて現場なんかに行くんだ。クラブでいろんな発表があるだろう」といわれた。記者クラブ員はもはや官庁の「広報課職員」と化していた・・・・

官との契約により、配信記事は加盟新聞に印刷物として出る前に、事実上、官庁に「検閲」されている

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