注射前のアルコール消毒 実は全く根拠のない行為

ドクトル・ウッピーの診察室
注射前のアルコール消毒って・・・

予防接種などの注射の前に、アルコール綿で皮膚をゴシゴシと擦って消毒するのは、ほとんどの方がされている、いや全員がされているはずです。

でも、このアルコール消毒は、実は全く根拠のない行為で、ひょっとしたら多くの医師は意味がないと思いながらも行っていると思われます・・・・

注射前のアルコール消毒が本当に必要かどうかの、かなり厳密な検討(二重盲検ランダム化比較試験)をおこなった研究があります。
これでは、アルコール綿で拭く群と蒸留水で拭く群に分けて検討していますが、接種後2日後もしくは3日後に接種部位の感染はいずれの群でも1例も認められていません。

実際に、アメリカで糖尿病の患者さんがインスリンを自己注射するのにアルコール消毒しなくても注射部位の感染を起こすことはないという論文が10年くらい前に出ました。糖尿病の患者さんはそうでない人に比べて感染を起こし易いにもかかわらず感染を起こさないのです。現在、糖尿病の患者さんは服の上やズボンの上から直接インスリン注射をしていますが、それでも感染を起こすことはほとんどありません。
じゃあ、どうして予防接種の時はアルコール消毒をするの、という疑問が当然出てきます。

「予防接種実施要領」が厚労省から出ています。これには予防接種を実施するに当たって、細かい指示が書かれています。ここにはっきりと「・・・接種前には接種部位をアルコール消毒し、・・・」と記載されています。

ですから、必要ないことがわかっていてもアルコール消毒をしなくちゃいけないんです
・・・なんか、変でしょう

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« オバマの代議... 日本は麻疹の... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。