祭りのない中国と祭りの国・日本

 

「祭りのない中国と祭りの国・日本」 - 花は桜木・山は富士

2006-08-24
 
中国に関して、日本人がほとんど知らない一つの重要な事実を指摘しておこう。
これは、筆者も富士通総研経済研究所の柯隆・主任研究員に聞いて驚いた。筆者だけではなく、日本人はこれを聞くと誰しもが驚く。

しかし、中国の問題を考えるとき、非常に重要なポイントなのである。
中国には「祭り」がないのである。2004年の末だが、私が司会をしているラジオ番組で、南京出身の柯隆さんが、以下のような非常に興味深い話をしてくれた。

「中国では日本各地で開かれているような祭りがないのです。
かつての中国には祭りがありました。民衆はそこでエネルギーを発散していた。不満のはけ口だったのです。今の日本の祭りにもそういう意味合いがあります。

ところが今の中国には祭りがない。共産党革命が起きた時に、
新政府が祭りを禁止したのです。民衆の熱意が発揮される祭りが、
共産党は怖かったからです。その代わり共産主義毛沢東思想を学ぶ勉強会を行なった。
しかし、これでは民主のストレスは溜まるばかりです。時には民衆の暴動も起きるし、サッカー場で騒いでみたくなるのもうなずけます」

これについては、中国を旅行や出張で訪れる普通の日本人は気付かない。中国で育って、日本に来て、そして日本で生活した人しか気付かない、重要な日中の違いなのである。柯隆さんは、まさにそういう人であった。
柯さんも、そして筆者も、これは今の中国で起きている一連の出来事を理解するうえで、極めて重要なポイントだと考える。

(略)

祭りを盛り上げるのは創意である。それは想像力・創造力の源泉ともなる。これこそ「日本力」の根源ではないか。
日本では明らかに、祭りが一年の季節や区切りとなっている。
それは社会の安定にとって極めて重要だ。さらに重要なのは、
日本では祭りが増えている、ということだ。都市などでは筆者の生活圏だけ見ても、
たとえば、東京の高円寺の阿波踊り、阿佐ヶ谷の七夕など、
「借り物祭り」が増えている。こうした祭りが、日本という国を、
極めて多様にしていると考える。

中国には祭りがないというのは実に意外だが、真実である。
中国出身の柯隆さんだからこそ、日本との差を確信できるのであろう。
春節は中国の祭りだ」という人もいる。しかし、春節は日本で言ってみれば正月である。正月は日本では祭りではない。日本の祭りの多様性と頻度は、世界でも例のないものである。これも、「日本力」のバックグラウンドにある「遊び心」をくすぐる要因になる。

日本力 アジアを引っぱる経済・欧米が憧れる文化!」伊藤洋一 著
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