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川口マーン恵美『ドイツの失敗に学べ』
日本に喩えると辻元清美やら山本某、蓮舫などが政治実権を握ってハチャメチャな政策を実践している
宮崎正弘の国際情勢解題」
令和六年(2024年)10月25日(金曜日)
通巻第8476号
書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
左翼小児病ならまだしも、もっと悪質な左翼ウイルスに脳幹を冒されたドイツ
治安が凶悪化しても難民の無制限受けいれは「人道主義」。それは主権放棄では?
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川口マーン恵美『ドイツの失敗に学べ』(ワック)
かねてから知りたいと思っていた欧州情報が殆どすべて網羅され、やさしい文章のなかに精密な照査結果と、メルケル~ショルツ政権の愚かな政治に対する燃えるような怒りが隠されている。
ドイツはどうしてあれほど政治が左翼化して衰退し、精神はめもあてられないほど衰弱し、経済も力を失ったのか。「左翼小児病」ならまだしも、もっと悪質な左翼ウイルスに脳幹を冒されたドイツでは、治安が凶悪化しても難民の無制限受けいれは「人道主義」に酔っ払っている。
メルケル元首相の諸政策が元凶であり、中国の魔力に取り込まれ、西側は一斉に中国から引き揚げている最中、ドイツは対中投資を増やした。北京とベルリンの『独中蜜月』が続いているのだ。
あまりに愚かで、ショルツ政権のやること、なすことが錯綜している。なぜドイツ人の錯乱はなぜここまで悪化したのか?
ゲルマンの民族的魂はどこにもないではないか。
これらの疑問に川口さんは明確に答えてくれる
ドイツだけではなく、本書ではドイツを通してEU全体の動きが俯瞰できる。EU議会、EU本部の奇妙で愚昧な政策立案は、いったい誰が、何を目的に?
つい四十年前までドイツは勤勉な国民性と教育の高さでハイテクをリードする経済大国だった。文学、医学、哲学でも世界に誇れる偉人が輩出した。
そのドイツが無残に、且つ醜悪に変貌し、嘗て輝いていた、産業をダイナミックに牽引していた、あのドイツはもう何処にもないのである。
第一に政治が愚かすぎて、環境、脱炭素、原発廃止は産業を自滅させた。ドイツの優良企業はドイツを捨て、海外へ逃げ始めた。BASFもVWも中国に大工場をつくる。そればかりか後者はドイツ国内工場を閉鎖する。日本でいえばトヨタが国内工場を畳んで主力を中国へ移転するような「大事件」なのだ。
1970年代、サロンにあつまってワインを飲みながら革命を語った似非知識人がいた。サロンマルキストと言った。今、ドイツを蹂躙する左翼政権は、環境を隠れ蓑とした全体主義者であり、ブラッセルのEU本部を牛耳るエリートも同様である。つまり欧州を蔽うディープステーツの寡頭政治に陥っているのである。
「あなたはそこ(EU本部)にいるべきではなく、刑務所にいるべきだ」とフォン・デア・ライアンを議会で正面から批判したドイツ人議員がでたほど、EU本部は腐臭に満ちている。
日本に喩えると辻元清美やら山本某、蓮舫などが政治実権を握ってハチャメチャな政策を実践しているということである。しかもメディはそれを批判しないばかりか、正しい政策だなどと左翼路線を協同した論調をはって破局へ向かって爆走している。
(ショルツ政権の)「政策で、ドイツ国家とドイツ国民の利益に資するものは殆ど見当たらない。与党の一角にいる自由民主党が提案する産業振興策は、緑の党の産業破壊政策にことごとく潰され、結局、決まったのは、原発の停止や、ガソリン車を廃していくこと、大麻の一部合法化、未成年でさえ簡単に性別を変えられることになる『自己決定法』の制定など、国民の支持をほとんど、あるいは全く得られていない政策ばかりだった」(53p)。
くわえて深刻な事態が進んでいる。「自由がなくなりかけている(中略)。数年前からドイツはソフトな全体主義に移行し始めている」という指摘には身震いする。ドイツでも、保守的な意見は抹殺され、「極右」とレッテルを貼られ、馬鹿扱いされるのだ。犯人達は左翼政治家と組んだドイツの左翼メディアだ。この点は日米にも共通する。メディアの殆どが「あっち」の人達である。
難民問題も救いが無いほどに深刻な状況となり『福祉国家の恩恵を受けるのは移民ばかり』となった。これも日本における難民救済と同じで、難民達は平均的な国民より収入が多い手当を貰える。アメリカも州によっては不法移民に優しいところがある。
最初は労働力不足をトルコからの移民に頼った。冷戦時代には緊張感があった。東西ドイツ統一はコール首相の腕力で成し遂げられ、東西通貨は統合され、さらにドイツマルクを基軸として欧州統一通貨の「ユーロ」が誕生した。
このあたりまでドイツの勢いがあった。
ドイツは率先して移民を受けいれ始め、国運が傾きはじめた。中東から多くの難民がドイツをめざした。
メルケルは嘯いた。
「ドイツに誰が入国するかは、私たちが決められることはできない」。
この驚くべきメルケルの発言に川口さんは言う。
「これは主権の放棄であり、冷静な思考を保っていた他国の人々はき驚愕したが、肝心のドイツ人は自分たちの人道的行為に酔った」。
(米国や日本の政治家に似ているなぁ。いやこの点でドイツは最も先進的である)。
以後、欧州ではイスラムテロが頻発し、犯罪が凶悪化し、そうして難民に対してドイツは宿舎、食事、カネの手当を支給した。難民は働かなくてもドイツへ入りさえすれば暮らせる。
「退去しなければならないのに留まっている人の数が、今や累計で330万人に迫る」
ところが現在のドイツ左翼政権は(いまや支持率は30%もないのに)「治安の悪化を無視し、無制限に難民希望者に門戸を開いたまま、それが人道だと胸を張っている。(川口クルド問題がある)日本は、これを他山の石とすべきだ(43~44p)
次ぎに卒倒するような数字が並んだ。
「2023年の犯罪は総数約80万件で、一日に換算すると2160件を越えた(中略)、暴行事件が10・6%、スリ・窃盗が16・4%と二桁台のパーセンテジでのびており、特に性犯罪は15%増の2500件、性犯罪は、外国人による犯行がドイツ国籍の人の7倍で、2017年からの通算では5万7000人の女性が性犯罪の犠牲」となった。
アメリカ同様に950ドル以下の万引きは逮捕しないのだろう。チンピラはかならずナイフを携行している。被害にあっても、軽傷程度では警察に届け出ない。パトカーを要請しても警官の到着に一時間もかかるアメリカよりドイツは酷い状況のようだ。
経済の愚策は脱炭素、そのために原発を止め、本当に必要かとおもえるほどの太陽光パネルと風力発電を設置し、石炭火力も2038年までに廃止すると言っている。電気代金は高騰し、人々の暮らしを直撃した。
さらに新しい問題はユダヤ人問題だ。
ドイツの贖罪意識が戦後続いてきたが、イスラムの大量流入によってドイツでも反ユダヤ主義の台頭である。
これもまたアメリカの大学生たちがキャンパスを占拠、ユダヤ人学生への暴行、迫害事件が続く状況と同根である。
EU本部を乗っ取った左翼全体主義は表向き『グローバリズム』などと人を食った標語を口にして、これまで国民を欺してきた。
贋物はばれる。
イタリアとオランダ、オーストリアで保守政権が産まれ、フランスでルペンが、ドイツでAfD(ドイツのための選択肢)が第一党となった。グローバリズムはインチキ宗教ではないかと左翼政権への不信、ポリコレの行き過ぎ、LGBTQの異常にようやく欧州人が気がついた。だが、時既に遅し。
これは明日の日本の姿なのか?
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