がん治療の大革命となるか? 「光免疫療法」とは

なぜか マスコミ あまりとりあげません

多分 大スポンサーの製薬会社への配慮?からでしょう

週刊新潮に続いての記事です

一般向けにも わかりやすく解説しています

一読しておきましょう


週刊現代

がん治療の大革命となるか? 極貧研究者が生んだ「光免疫療法」とは

カネも伝手もない、情熱だけがあった 

現在、治験の最終段階にあり、認可されれば、がん治療に大革命を起こすと期待される光免疫療法。今週発売の「週刊現代」では、その開発の裏で資金不足に泣き続けた研究者の汗と労苦の物語について特集している。

がんが「過去の病」に…?

小林久隆氏(57歳)。世界最高峰のがん研究機関である米国立がん研究所(NCI)の主任研究員

兵庫県西宮市で生まれた小林氏は、関西の名門、灘校を卒業後、京都大学の医学部に進学

がんの研究をするにしても、一度、臨床を経験したほうがいいと思いました。そこで放射線科の医師として働きはじめたのですが、結局11年も臨床の現場で働くことになった

そもそも人体に有害な放射線を当てて治すこと自体が、非常に乱暴な治療法

がんを退治してくれるはずの免疫も徹底的に壊れてしまいますから。がんの治療には、そんな野蛮な方法しかないのかと悩ましく思う日々

 

自腹で研究するしかない

'01年、40歳を前にもう一度アメリカにわたることを決意。

与えられたポストはシニアフェローというもの。ボスの研究の手伝いをしながら、空いた時間で自分の研究を進めるという条件でした。

実験に使う機械が空くのが夜中だけなので、昼はボスの手伝い、夜中は自分の研究。毎日のように研究室に寝泊まりする状況

 

新しすぎて理解されない

当時は、主にがんのイメージングの研究をしていました。つまり、どこにがん細胞があるのか、画像で判断するための研究です。がんを光らせる蛍光物質を体内に入れて、光らせるというコンセプトでした

よく観察すると近赤外線の当たったがん細胞だけが、風船がはじけるように次々と破裂していくのです。それから、光免疫療法の研究が始まりました

がん細胞だけに結合する抗体に、光る色素「IR700」をくっつけて静脈注射で体内に入れる。IR700は、近赤外線を当てるとすぐにそのエネルギーを吸収、化学反応を起こし、がん細胞の膜に小さな傷をつける。いくつか傷がつくと、がん細胞はものの1~2分で死滅する

外科手術、抗がん剤、放射線治療とこれまでの主流の治療法はどれも、本来がんと戦ってくれるはずの免疫機能を著しく弱まらせる。

また、(オプジーボなどの)免疫療法は免疫を強化してはくれるが、それ自体はがん細胞を殺しません。

一方、光免疫療法では、がん細胞が壊れて減るのに免疫細胞を弱まらせることもない。むしろ免疫細胞を活性化させることもわかってきた。

しかも、ほぼすべてのがんに効果があって、副作用も少ない

'12年には特許をサンディエゴのベンチャー企業アスピリアン社にライセンスしました。

しかし、ビル・ゲイツの財団などいろいろなところを回り、臨床応用の資金を得るための会議に加わりましたが、なかなかおカネを出してくれるところは見つかりませんでした

 

しっかりとしたコンセプトはあるのに、試験が進められない。まったく新しい治療法だけに、周囲の理解が追いつかない

'13年4月、サポートしてくれる人物が現れた。

楽天の三木谷浩史会長です。当時、三木谷さんはお父様が膵臓がんで闘病中で、世界中のがん治療の最先端を熱心に見て回っていました。

私の親戚が神戸で洋菓子屋をやっていて、楽天市場に早い段階から出品していました。

同じ神戸出身という御縁もあり、三木谷さんとは古い付き合いだった。その親戚を通じて、私の研究の話を聞き、興味を持たれたらしい。

実際に会って話を聞いてみると、専門家が驚くほど詳しくがんのことを勉強されていた。科学的な内容までよく理解されているので、私の研究に対しても即断即決で支援をしてもらえることになりました」

現在、三木谷氏は楽天アスピリアン社の会長という立場で光免疫療法の臨床試験を推進している。グローバル第Ⅲ相試験という最終段階で、日本を含む世界中の病院で試験が進行中だ。

現在、試験を行っているのは頭頸部がん。顔や頭の近くで手術が難しいことと、光を当てやすいという理由からです。

もちろん、光免疫療法は他のがんにも効果があるはず。内視鏡を使って光を当てれば、内臓系のがんにも対応できる。最終ターゲットは、とても難しいがんといわれる膵臓がんです

発売中の週刊現代では、このほかにも、光免疫療法の治療コストが安価に抑えられる可能性にも触れ、近い将来の人類とがんの姿について詳述している。

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