なるほど
(読者の声1)先般のテレビ番組で、宮崎さんが「日本の物価は国際比較しても安い。だから外国人がこんなに押し寄せるのです」と説明されていましたが、ちょっとピンと来ない。具体的に説明をしていただけませんか?
(HJ生、大和市)
(宮崎正弘のコメント)バブル時代、物価比較の指標はPPP(購買力平価)を「ビッグマック指標」でみていました。
マクドナルドのハンバーガーの価格を国際比較して、PPPを決めていた。筆者にしてみると、この指標は古いし、世界全体を比較するには不適切な要素もあります。
マックは旧東欧やロシアではまだ高級品。中国でも庶民は手が出ないし、アジア全体でいえば「吉野屋の牛丼」がPPP比較には良いかも。
ともあれ、長いデフレで、物価上昇が見られず、実質賃金が下降しているのが日本経済。
コインひとつでトンカツが食べられますし、レストランは香港、台湾、上海と比べても日本のほうが安いです。ホテル代金も、日本には駅前ビジネスホテルにとまると、アジア諸国の首都のホテルより安いと言えます。
タバコ一箱の値段は米国で13ドル(1450円ほど)、ロンドンは12ポンド(1800円)。英国に準じる香港、シンガポールも同じですし、マレーシアもタバコを値上げしたので、日本より高くなりました。欧州の免税店のタバコが日本のコンビニで買うより高いのですから。
こうなれば、海外から日本に押し寄せる観光のインバウンドが増えるのは当然でしょう。箱根、石和温泉など、新宿や池袋と変わらないほど外国人の比率が高いです。