岸田首相の人気について考える マクロン大統領に続く度胸見せるか、信を問い玉砕か

人間味あるれる乾さんの記事がいいんですね

 

岸田首相の人気について考える マクロン大統領に続く度胸見せるか、信を問い玉砕か 大手町の片隅から 乾正人

連載中の「帰ってきた令和阿房列車で行こう」では、ほぼ毎回「明日のこころだぁ!」で締めている。これは、昭和48年から約40年続いたラジオ番組「小沢昭一的こころ」で、俳優の小沢昭一さんが、番組の最後で使っていたセリフをオマージュした(パクった)ものである。今回の見出しも同番組が週替わりでサブタイトルに「○○について考える」とつけていたのを見習ったもので、私の仕事は、阿房列車を世に出した内田百閒先生と小沢さんのおかげで成り立っている。

安倍元首相を超えた?のに

さて、岸田文雄首相の人気がさっぱり上がらない。報道各社が実施する世論調査では、支持率20%台が定着。10日発表されたNHKの最新調査では、21%と自民党が政権に復帰した平成24年以来、最低となった。

米国のように、前大統領や現職大統領の息子が有罪評決を受けたわけでも首相本人が大きなスキャンダルを抱えているわけでもない。

3年前の政権発足以来、実行してきた政策の数々を振り返ると、失政と呼べるものは現段階ではあまりないのではないか、と私は思う。

むしろ、国家安全保障戦略など安保3文書を見直して反撃能力の保有を明記したり、次期戦闘機を日英伊3国で共同開発する方針を決めたりと、安保政策を重視した安倍晋三政権でも成し遂げられなかった政策を軽々とやってのけた。

経済対策も賃上げに熱心に取り組み、NISA(少額投資非課税制度)の拡充も推進、日経平均株価はバブル期以来の最高値を記録した。

 

政治資金規正法の改正にしたって、パーティー券の購入者を公開する基準を「5万円超」に引き下げることを首相本人が決断したからこそ、公明党も賛成して今国会で成立する運びになったのである。

にもかかわらず、支持率は低下し続け、各種選挙で自民党公認や推薦候補は連戦連敗している。

先日、沖縄「正論」友の会で、「現政権のまま7~8月に総選挙が実施されれば、自民党が下野する可能性はかなり高い」としゃべってきた。その見立ては今も変わらないどころか、ますますその可能性が高まったため、岸田首相も会期末解散を躊躇(ちゅうちょ)せざるを得なくなった。

マクロン大統領に続けるか

それはなぜか。「政治とカネ」の問題にまじめに取り組んでこなかった「岸田自民党」に対し、有権者の嫌悪感が沸点近くまで高まっていることも一因だろう。首相にカリスマ性がないのも確かだ。ただ、それだけでは、説明がつかない。

最大の要因は、老舗政党の自民党が劣化し、少子高齢化など日本を襲う危機に十分対処できなくなった、と有権者が判断していることだ。

 

日本だけではない。欧州議会選挙で「極右」と呼ばれるポピュリズム政党が躍進した背景には、既成政党や左翼が、移民問題など喫緊の課題に対応できていないことがある。

危機感を強めたマクロン仏大統領は、「極右」の躍進を食い止めようと、国民議会を電撃的に解散した。

さて、その度胸が文雄クンにあるだろうか。公約の憲法改正が今国会で実現できない以上、総選挙で国民に信を問い、玉と砕けるのも男子の本懐ではないか。身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある。(コラムニスト)

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