石岡 荘十
「水際作戦」に傾倒した理由
理由は「国として何もしないわけにはいかないでしょう」だけだった
要するに、水際検疫を有効と評価した学術論文はなく、WHOも「歴史
的にも成功した例はない」と発表したのである。これに対して尾身委員長は、参議院予算委員会(5/28)で「国内感染を
遅らせる一定の効果はあった」と国の水際作戦を擁護した。2500人を動
員し、10万人を越える旅行者のスクリーニングの結果、5人の“容疑者”
を見つけたに過ぎない初動策を、評価できると言い張った。
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成田で、発熱した患者を見つけるためにサーモグラフィー300台(1台の
通常価格1百数十万円)を倍以上の300万円で緊急調達している。それで
発見したのは5人に過ぎなかった。費用対効果の点でも水際作戦が失敗だ
ったことが明らかになった
空港で監視を強化し、新型ウイルスが侵入しないよう徹底した防疫網を
張って水際作戦を実行したのは、世界中で日本と北朝鮮だけだった
検疫騒動は「政府は一生懸命やっています」という政治的なパフォーマ
ンスに過ぎなかったのだ
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厚労省は6/26、第2波を控えた行動計画を大きく転換し、都道府県に基
本的な運用方針を事務連絡した。新型インフルエンザ発生以来、これが
86通目の事務連絡である。これらは事実上の命令であり、逆らうと後の
仕返しが怖い。
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「流行の『防止』はパーフェクトであることを求められるので、
『縮小』等の語を用いた方がよい」さすが官僚作文