井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

2018年夏山における羊蹄山の遭難事故について

2018-10-28 20:17:08 | 後方羊蹄山・ニセコ・積丹山系・道南の山
 北海道は晩秋の季節を迎えました。
今年は雪が遅いのですが、昨年だとこの時期には初雪が降ってました。

 今年は羊蹄山における遭難事故が多発しているような印象があります。
そこで、北海度警察のHPに乗っている遭難事故情報を検索してみました。
何と今年は6月から9月の4か月間で10件もの遭難事故が発生していました。
同期間における前年の2017年の発生件数は3件、
前前年の2016年の発生件数も3件でしたので
今年の遭難事故は異常に多いのです。
幸いなことに死亡事故が無かったのが救いです。

 その事故例についての詳細を北海道警察のHPから転載しますのでどういった事故だったのか、
自分だったらどう防ぐか検証していただき事故防止に役立てていただきたいと思います。
特に本州から百名山狙いで羊蹄山に登られる方は、ぜひ、目を通してもらいたいと思います。


6月17日(日曜日)石川県の50代男性(単独) 遭難原因~滑落して負傷
  遭難者は午前4時15分頃真狩登山口から入山、午前10時頃山頂に到着、
 午前11時頃喜茂別コースの7合目付近を下山中雪渓斜面で滑落して両足下肢を負傷、
 110番で救助要請
 (※消防救助隊が遭難者を発見、救助) 


6月22日(金曜日)兵庫県の40代男性(2人グループ) 遭難原因~疲労
  遭難者は午前5時30分頃比羅夫登山口から入山、午前11時50分頃京極コースの
 6合目付近を下山中、体調不良のため行動不能となり消防に救助要請
 (※消防救助隊が遭難者と接触し介添え救助)


7月20日(金曜日)北海道の40代男性(単独) 遭難原因~装備不備
  遭難者は午前8時30分頃真狩コースから入山、午後3時30分頃山頂に到着し、
 午後7時30分頃2合目付近を下山中、日没となり、照明器具等を持っていなかった
 ことから暗闇で行動不能となり110番で救助要請
 (※消防救助隊が遭難者を発見救助)


7月21日(土曜日)北海道の20代男性(2人グループ) 遭難原因~疲労
  遭難者は午前8時頃比羅夫コースから入山、午後0時30分頃9合目付近を下山中、
 疲労と寒さで行動不能となり、同行者が消防に救助要請
 (※道警山岳救助隊と消防救助隊が遭難者を救助) 


7月26日(木曜日)神奈川県の80代男性(単独) 遭難原因~疲労
  遭難者は午前4時頃真狩コースから入山、午前11時頃疲労のため9合目から下山を開始、
 午後4時頃3合目付近を下山中に疲労で行動不能となり、家族を介して110番で救助要請
 (※道警ヘリが遭難者を救助)

7月31日(火曜日) 大阪府の60代女性(2人グループ) 遭難原因~疲労
  遭難者は午前4時30分頃比羅夫コースから入山、午後0時頃山頂に到着し、
 午後10時30分頃2合目付近を下山中、疲労で行動不能となり、同行者が消防に救助要請
 (※消防救助隊が遭難者を救助)


8月2日(木曜日) 北海道の30代女性(単独) 遭難原因~滑落
  遭難者は午前5時30分頃喜茂別コースから入山、午前11時頃山頂に到着後、
 山頂付近の岩場で写真撮影中、足を滑らせて約2メートル滑落し、右手、右足を負傷
 (※道警ヘリが遭難者を救助)


8月3日(金曜日) 北海道60代の男性(2人グループ) 遭難原因~転倒
  遭難者は午前7時頃比羅夫コースから入山、午後0時頃山頂に到着し、
 午後2時30分頃9合目付近を下山中に転倒し右足を負傷、同行者が消防に救助要請
 (※道警ヘリが遭難者を救助) 


9月2日(日曜日) 北海道20代男性(3人グループ) 遭難原因~脱水症
  遭難者は午前10時頃京極コースから入山、午後3時頃山頂に到着し、午後7時頃
 3合目付近を下山中、両足がけいれんして行動不能となり、同行者が110番で救助要請
 (※消防救助隊が遭難者を救助)


9月14日(金曜日) 東京都60代男性(単独) 遭難原因~道迷い
  遭難者は午前5時頃比羅夫コースから入山、午後5時30分頃1合目付近を下山中、
 倒木を迂回したところ登山道を見失い道に迷い、119番で救助要請
 (※消防救助隊が遭難者を救助)

 遭難原因の中に「疲労」が4件ほどあります。
羊蹄山は、山頂の標高が1,898mとほぼ1,900mの高さにあります。
各登山口の標高を見ると比羅夫口300m、真狩口399m、京極口420m、喜茂別口320mとなっています。
各登山口から山頂までの標高差が約1,500mほどとなります。

 羊蹄山は独立峰であり登山口から山頂まで一望できる山容ですが、この標高差からみても決してやさしい山ではありません。
長時間の登高を余儀なくされる上に降りも急斜面を降らなければいけません。
このことから疲労が蓄積されやすい山なので降りには十分な注意が必要です。
本州から来られる方々はこの点を十分に考慮して登山計画を立てるようにお願いします。
特に出発時間が遅くなる場合にはヘッドランプを必ず持って行ってください。
普段から日帰りの山でもヘッドランプを必ず携行することをお勧めします。




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