日々雑感 ~写真と思い~

今日と言う日は、二度と来ない。 
だから今日を大切に・・そんな私のデジカメ散歩 

* 頂きもの・・ *

2010年06月23日 | 料理・その他食
 
 
船長から出身地、淡路島のびわをいただいた。
毎年この季節にいただく、そうなるとなんだかいつの間にか心待ちしている私がいる。

子供の頃、実家にもびわの木があって食べ頃が待ち遠しく、まだ熟れてないときに食べたりした事があった。
昔は腸チフスになるとかどうとか言われたり、おなかをこわしたこともあった、そう言えば。

びわと言えば、”まどみちおさん”の歌、♪   ≪ びわ ≫  作詞:まど・みちお / 作曲:磯部俶

♪~びわはやさしい 木の実だから  だっこしあって うれている
うすい虹ある ろばさんの  お耳みたいな 葉のかげに

♪~びわは静かな 木の実だから  お日にぬるんで うれている
ママといただく やぎさんの  お乳よりかも まだあまく

毎年思い出しながら口ずさんでいる懐かしさよ。 昨年より、色も味も濃かった。

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昨日京都の姉からクール便で、茹でた破竹がいっぱい届いた。 前日メールで「これには深い話が・・届いたら電話でね」
(深い? 深イイ話かな)

 

昔昔 きこさんの旦那さんが昼勤だったころ、朝は3時半に起床5時の始発に乗る旦那さんを見送ったそうな。
家の周りを掃除していると、おばあちゃんが道端に腰かけていた、そのそばには今時珍しい大八車が。
月のうち何度か、おばあちゃんは同じ場所で座って休んでいたそうな。

「おはようさんです。 おばあちゃんどこからきてはるんです?」 きこさんは、思い切って声をかけたそうな。
京都とは県境に近い奈良県の方からきてはるそうで、お話を聞くとここからもう半分ほど離れた距離の、
息子さんのところに、家で作っている新鮮な野菜を届けているんだそうな。 
大八車に野菜をいっぱいのせて、1時間以上をかけて運んでくる、その中間地点で休憩をしているらしい。

そのうちきこさんも、旦那さんを送り出しているものだから、おばあさんと話し込むようになったんだって。
お茶をよばれたり、そこがおばあさんには話の出来る楽しい休憩場所となったわけでありますな。
きこさんはいつからかお礼にとお野菜をいただくようになったけど、丹精のお野菜を一生懸命運ばれるおばあちゃん、
いただくのが申し訳なくて「おばあちゃん、買わせていただくわ」その方が気が楽だからと思ったようで、
以来おばちゃんが来るときは、お野菜を買うようになった、強制ではないけれど必然的に。
おばあちゃんも別な楽しみになったに違いない。

息子さんが車でとりに行けばいいのにと思うけれど、面倒かけずに持って行ってやろうとする親心。は
1か月前には膝の手術をされたそうで、そんなときもおじいちゃんが自転車にいっぱい積んで運んでいたそうな。
それならおじいちゃんが自転車で運べばいいのにね、そうも思ったりしたものだそうだが自分で届けたいおばあちゃん。
お嫁さんが待っているのか、置いて帰るのかどんな風なのか。 今73歳らしい。
旦那さんが夜勤になって、きこさん自身も新鮮な野菜を分けてもらい、おばあちゃんに会うことが楽しみになっていたのかも。

先日雨が良く降ったので筍が伸びてねと、破竹をいっぱい持って来られたそうな。(こんなに沢山食べきれない!多すぎる・・)
そう思ったけれど、きこさんは時間をかけて歩いて運んで来られたことを思うと、断れなかったそうで、全部買ったそうな。
みくさんなら「おばあちゃん、そんなには食べられへんし半分だけもらうわ」と言ったかな、いや断るの苦手なので全部もらただろうな。
他の野菜もきこさんは断れず勧められるままに買ったので、「食べて!頼むから!」みくさんにSOS送ったんだとさ。

写真の3倍もの量。 皮つきはかさばるし送料もかかるし皮を剥いて大鍋で二度も茹でたそうな。
「縦、横、高さやもんね、荷物の送料」「そうやのよ」「こっちはとっても有難いわ、丁寧に茹でてくれてすぐ炊けるし~」

けどみくさんは破竹をもらった嬉しさよりも、心に感じたのは、きこさんが話す事がらだった。
きこさんは昔からゆっくり話す人なので、「どんな家に住んでいるのやら、大きな家なのかどうなのか、
どれだけのお百姓さんなのかどうか、家族構成も何も知らへんのよ」 そうのんびりと話したきこさんの言葉。
長い年月の付き合いになっているのに、おばあちゃんが家のことや息子さん夫婦のことを愚痴るのでもなく、
聞けば答えただろうが、きこさんも人の悪口を言ったり人のことを根掘り葉掘り聞きたがったりする人でない。
みくさんにすれば(そんならいつもどんな会話してたん?)電話のあとで聞いてみたら良かったわ、そう思ったのだ。

あたりさわりのないようなおばあちゃんの話を、気持ちよく聞き役になって接していたきこさん。
相手のことを立ち入らずにいる、しかし普通な世間話がお互いのいい関係を保てている原因かなぁと思う。
穏やかな和やかな二人の楽しそうな場面を想像しながら、暑いさなか爽やかで心地いいものを感じたみくさん。
みくさんなら家族は?家は?仕事は?聞いてみたに違いない、おばあちゃんのことをもっと知るために。
なんで時間をかけてまで運んでいるのか、お嫁さんともどんな風な関係なのか、聞いてみたくなるはず。

きこさんらしいわ、きこさんの温厚な性格に(これは私への無言の教えやわ)ほのぼのと感じたそうな。
せっかちで偉そうで思いやりにかけていて・・きこさんの姿に、ちょっぴり反省のみくさんでしたなぁ。
それにしてもこの破竹はあっという間に、筍ごはんや煮物やみそ汁や・・ご近所さんや神戸の夫人へと
色んなところへとお嫁に行ったとさ。   
おばあちゃんの愛情がこもったお野菜、それは甘くてやさしくてやわらかくてほんに美味しかったとさ。 29日記