先日 櫛形山で見かけた小さな花。見るからにイチゴの仲間のような感じだ。いつもなら山梨にあるイチゴはと調べるのだけど、最近の「らんまん」を見ているとまずはじっくりと植物を観察することが大事だと感じたのでやってみましょう。
○花弁は白く細く5枚が五角形の対角線に広がる。
○花弁より額のほうが大きく、かなり離れている。
○葉は5枚、奇数羽状複葉
○葉裏は白い(毛で覆われている)
○対生
○葉柄や茎などに鋭いトゲあり
「日本の野生植物」木本編のバラ属の分類でいけば、
第一関門は、
○托葉は葉柄に沿着か、離生か
→ 下の写真を見ると葉柄についている。
こういうのもきちんと観察してないといけませんね。
第二関門
葉は単葉か、3〜多数の小葉か。
→ 5枚でした。
第三関門は葉の裏面が緑色か白色か。
→ 白色
これで候補は7種、第四関門が花の色なので
白色だと2つに絞られました。
エゾイチゴとミヤマウラジロイチゴです。
次の関門は茎や枝の針、茎や枝や萼などの毛、花枝の葉の数と
比較ポイントがいっぱいありました。またそれぞれに変種もあります。花枝の葉の数からいえば写真の植物はミヤマウラジロイチゴが妥当な気がします。
山梨県植物誌をみるとミヤマウラジロイチゴだけでなく、北海道に分布とあるエゾイチゴが金峰山にあると書かれていました。これはこれで稀な例として確認してみたいものです。
残りは変種にあたるかですが、
葉裏が緑のシナノキイチゴではないので、残りはイシヅチイチゴ。茎に刺針と軟毛を密生し全体に小型とあります。写真を見る限り雰囲気が違います。
また植物誌のミヤマウラジロイチゴの欄に櫛形山には腺毛のないナエバキイチゴがあると書かれていました。このナエバキイチゴは手持ちの日本の野生植物旧版にはのっておらず、Ylistではミヤマウラジロイチゴの別名の扱いでした。
いずれにしても茎や枝や萼のトゲや毛をよく観察すれば確定できそうです。ナエバかどうかも含めて。
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