未熟なカメラマン さてものひとりごと

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高校女子駅伝 宿命のライバル興譲館高校と豊川高校

2012-01-14 23:28:00 | スポーツ

トップを走る豊川高校ワイナイナ選手と追う興譲館高校岡選手

昨年師走に都大路で開催された高校女子駅伝。興譲館高校の連覇は、残念ながら成りませんでした。1区で頼みの菅選手が出遅れ、予想外の6位。これが最後まで尾を引き、ライバル豊川高校に勝利を許してしまいました。先行逃げ切りで最終5区までに30秒離しておきたいという森政監督の思惑は見事に外れ、逆に4区終了時点で8秒の差をつけられ豊川高校の圧勝となりました。
今回、興譲館高校も豊川高校も、メンバーに各区間とも1位の記録はありませんでしたが、結果、1位と2位という、選手層の厚さを立証する大会となりました。

大会前にNHKで放送されていた「常に挑戦者」というドキュメンタリー番組を見ました。菅選手を中心に、連覇に向けて頑張る選手達の苦悩、そして彼女たちと寮で共に過ごしながら指導する森政監督を描いた番組でした。前回、1区1位というプレッシャー、「勝たないとカタにならない」という菅選手。そういう強い思いとは裏腹に調子があがらず、さらにあせりが見えていました。監督の「早い選手よりも強い選手が欲しい」ここ一番のときに、力を発揮できる、ということでしょうか。

菅選手、インターハイ3000mでは、まさかの8位、最後のラストスパートについていけません。それでも、12月に長崎で行われた記録会、5000mで自己新を出していたので、実は期待もしていたわけです。その期待もむなしく、昨年の都大路で見事なラストスパートを見せたあのときとまったく逆の展開となってしまいました。
しかし、驚いたことに菅選手のタイムは優勝した前回より2秒も早かったのです。今回の1区は、昨年の区間記録を上回る選手が6名もいるハイレベルな戦いとなりました。豊川高校の安藤選手も前年1区を走りましたが、このときの菅選手のリードは19秒もありました。その後、豊川高校も追いあげましたが、かなわず興譲館が豊川高校の連覇を阻んだのでした。

花の1区とはよくいったものです。最長区間であり、各校ともエース級の選手をそろえるため、そう呼ばれているのですが、一番記憶に残っているのが、16回大会の山梨学院大附属高校のモラーフィレス選手との死闘を演じた新谷選手です。抜きつ抜かれつ、そして離され、もうだめかとあきらめかけたとき、最後の最後でまた抜き返すあのねばり、岡山県人ならずとも感動を覚えた方も多かったのでないでしょうか。また17回大会の時に出した18分52秒は今も破られていません。今大会の1区の記録と比べると、実に30秒近くも早い驚異的な記録でした。

とはいえ、菅選手の活躍を私たちは決して忘れていません。彼女がいなかったら昨年の優勝もなかったでしょう。感謝あるのです。さて続く2区、3区、4区の興譲館の1年生トリオも素晴らしい走りでした。伸び盛りの1年生、今後も大いに期待したいところです。そしてこの4区の終了時点で、豊川高校に8秒差、勝負あったという感じです。5区の岡選手もよく奮闘しました。最初の出だしでは、すぐに離されましたが、徐々に追い上げ一時、9秒差まで迫って見せ場を作ってくれました。区間順位も日本人選手のトップの5位。堂々たる走りでした。

興譲館の選手の最大の特徴は、軸がぶれないこと、これは競歩をベースにして練習している成果のようです。躍動感はそれほど感じられませんが、安定感は抜群です。それほど速く見えなくても結構速い、そんな感じでしょうか。そして、伝統の「笑顔のたすきリレー」。私たちは、随分この笑顔に癒されました。
そして忘れていけないのが、キャプテン岡崎選手の存在です。駅伝では菅選手のサポート役を務めましたが、チームのムードメーカー、そして開会式の選手宣誓は胸を打つものでした。
(選手宣誓全文)
私たち選手一同は、決して忘れることができない2011年の師走に、この都大路を走れる喜びを今かみしめています。東日本大震災を目の当たりにし、当然のように競技ができること、また支えてくれる家族や仲間のありがたさを改めて実感しました。その感謝の心を胸に、全国の皆様に希望と感動を届けられるよう前を向いて伸び伸びと、明るい未来へつながる絆のたすきリレーをすることを誓います。

 それから、豊川高校には、ケニア人留学生がいます。平成18年の大会から高体連は、「1区を除く区間で、外国人留学生は1人」としました。その理由は、「終盤まで競い合いを続けるための措置」としています。これにより、当然のことながら次に長い5区を留学生が走ることになりました。留学生の起用については、意見もいろいろあるところですが、優勝インタビューに答える留学生に違和感を持つ方も多いのではないでしょうか。

豊川高校には、素晴らしいタイムを持った1年生がいると聞いていますので、ワイナイナ選手が卒業していない今年(平成24年)の大会には、是非、日本人選手で堂々と勝負をしてもらいたいと思います。
さて、15日には全国都道府県対抗女子駅伝があります。彼女たちがどのような活躍をしてくれるのか楽しみでしかたありません。

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