麓から弥高山頂上を見上げる
この季節の花といえば、チューリップやボタンですが、どこもまだせいぜい四分咲き程度、少なくとも来週末以降が見ごろ開始のようでした。
愛犬の体調がいまひとつのため、時間を空けられないという事情もあり、近場の岡山県一の雲海の名所、弥高山を訪ねることにしました。井原の自宅から車での所要時間は約40分です。一番の目的は、新緑とツツジ(コバノミツバツツジ)です。日曜日が雨との予報でしたので、今日しかないという思いもありました。
また、日曜日は、弥高つつじ祭が開催され、歌手の「北原ミレイ」が来演との情報もあり混雑すると思ったからです。駐車場はどこも満車で、結局一番奥のグラウンドに停めました。駐車場を出るとすぐ目の前に、弥高山の丸い頂上がそびえています。頂上には、まっすぐ伸びる登山道を上る方法と、ぐるぐると約3周してゆっくりと遊歩道を利用する方法とがあります。
特に急ぐ必要もないし、撮影もしたいので、いつものように遊歩道を歩きます。すぐに視界が開け、眼下には、ピンク色を残しながらも、ほとんど散り終えた山桜、一方すでに若葉に姿を変えつつある茶色い山桜、そして木々の黄緑色の若葉、そして紫がかったピンク色のツツジも鮮烈です。そして濃い緑の針葉樹、それらが一体となって美しい景観をつくりあげています。この癒される景色、やはり一年で一番美しい季節と思いながらゆっくり歩きました。
遠くは大山や瀬戸内海が見渡せることも
そして何よりも素晴らしいのが、360度見渡せる大パノラマです。前回は雲海の撮影に来ましたが、特にこの時季の景観は特別に感じます。視界のいい日は大山や瀬戸内海も見渡せるそうです。途中、登山道を上ってきた中年女性の三人組み、その中の一人が、
「もう、だめ!」
「これ以上上ったら、わたしゃ、もう死ぬ」
「あんたら、先行って! わたしゃ、ここでもう十分、待っとくけ!」
という大きな声に、思わず笑ってしまいました。
まさに天空の遊歩道です。
売店やトイレがある麓には、大勢の観光客がいるのに、実は頂上まで上がる人はそれほどいません。そして、そこには決まって若い人の姿はなく、中高年の夫婦や、団体が目立ちます。頂上でパノラマを楽しんだ後、一段下がったところにある東屋で、持参したパンや飲み物で休憩を取りました。
付近では、めずらしいチョウが敏捷に飛び交っています。動きが早いので撮影は不可能です。15分ほど小休止したあと、登山道を利用して降りることにしました。次の目的は麓付近に自生するコバノミツバツツジの観賞です。麓に下りると、テーブル付のベンチで食事や談笑をする人々や、遊具施設で遊ぶ子供たちの歓声も聞こえます。売店の駐車場はいっぱいで、トイレ休憩をする人など、そこには多くの人の姿がありました。
野芝の上で、ツツジを眺める
この道路沿いに、自生するのがコバノミツバツツジです。今、まさに見ごろでした。コバノミツバツツジの群生では、兵庫県の兵庫フラワーパーク、倉敷の三百山にも行ったことがありますが、このように見事なツツジは他では見られません。野芝の上で弁当を広げる人の姿がありましたが、まさに絶好のお弁当ポイントですね。付近にはバンガローやキャンプ場も整備されていて、シーズンには大勢の人で賑わいます。
資料によりますと、この弥高山周辺には、約10万株のツツジがあるそうです。また5月中旬にはレンゲツツジ(地元ではカッコー花と呼ばれる)も見ごろを迎えます。ぜひ一度訪ねて、天空の遊歩道を歩いてみてはいかがでしょうか。
美しいコバノミツバツツジ
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