「はじまりは日本舞踊」 

 美作流との出会いが人生をかえました。世界はあざやかに輝き、心は自由に、踊っている時間は本当の自分に戻れる気がします。

マダムの時間

2009年02月13日 | 日本舞踊
今日から稽古です。真夜中です。丑三つ時です。舞初会前の最終稽古ということで、プログラムチェックやら衣裳の確認やら家元にして頂きます。 到着すると木曜午後はマダ~ム達のお時間でした。これは独特の時間です。ヤング?なミセスなY姉さんと私には、まだまだ踏み込めない領域です。皆さんとても楽しそうに和気あいあい。男の純情、という新舞踊と歌舞伎松竹梅、これ面白い。会直前の京都のお弟子さん方は、ただいまぐぅの音も出ないほど必死モードな稽古を過ごしておりますが、こんな楽しい時間も忘れちゃならないのかも。身についた充実感というものを、喜びと感じてくれるだろうかと、ふと考えます。そうでなかったら、私はただ強引でワガママな、押し付けがましいそんな人間じゃなかろうか。熱があっても一生懸命、電車に酔っても病み上がりでも稽古場に来る。辛そうな顔で30分、こちらも胸が痛みます。でもここで気をぬいたら、先には絶対進めない。必ず乗り越えてくれと心の中で祈りつつ、ああこの気持ちは伝わっているだろうかと自問します。なんとか皆の個性を生かして伸ばしてあげたいと思うのです。たとえどうであっても
、これが私の役割と、言い聞かせて進むしかありますまい。晴れの舞台で皆が生き生きと、自分の表現が出来るかどうか。踊りは楽しい、それだけの為に、本当に細かい稽古を積み重ねて何度も涙を流さなければならないなんて、なんてことでしょうね。我が流派の面々は、踊りを趣味ととらえている人は少ないのではと思います。踊りの教室に通っているという意識だけでは、はっきり言ってついていかれません。その位の勢いがあります。皆熱心、勢いというより、まさに激流。これは正に家元のカリスマ性と求心力によるものだと思いますが、私は特に不器用なため、他の仕事との両立などとても出来ません。師匠に出会った日から今日まで、四六時中頭の中は踊りでいっぱい。踊りに差し障らない仕事を選び、結婚してもまず稽古中心に生活スタイルをつくる。朝から晩までうなされたように色々考えていますと、すぐに1日が過ぎてしまう。要領が悪いのか馬鹿なのか、多分両方だろうけど、カスミでも食べて生きていかなきゃ、割りにアワナイ。なのに私はよく食べる(^O^) う~ん。人にどうこう言える生きざまじゃないな(T_T)