ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

父を待つ庭

2009年04月11日 17時47分00秒 | 家族
母が、腰を痛めているうちに
庭の手入れが出来ずに花が枯れてしまって、
父が見たら悲しむ、と嘆くので、
花を植えに、実家に行ってきました。

花の苗はあらかじめネットで注文し、
前日には無事到着した模様。
買ってきたお寿司と花見大福を食べた後は
エプロンにマイ帽子、マイ軍手で、いざ出陣。

クワで枯れた株と土を掘り起こし
有機肥料とよく混ぜ合わせて
さまざまな種類の花の苗を彩り良く植えつけ、
2つ入っていた苺の苗も家庭菜園の方に植えて、
お水をたっぷりやって、無事完了。



その後、父のいる病院へ。
父はますます、子供のような、
邪気のない、澄んだ瞳になっていく。

「お父さん、今日庭にお花を植えてきたよ。
かわいらしいお花が並んで、きれいになったよ。」

とりとめのない話を、一方的に話しかけるわたしを
ぽーんと抜けた空のような瞳でじっと見つめながら
言葉が話せない代わりに、何かを伝えるように
何度も何度もぎゅっと握る、唯一動く右手。

朝から暗くなるまで庭いじりをしていた父の
あの頃の庭とは比べるべくもないけれど、
ささやかに小花が並ぶ、小さなこの庭が、
沈みがちな、母の一人暮らしの日々に
明るい彩りを添えてくれるように祈りつつ。

コメント
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