今、日本を代表する数寄屋建築を手掛ける工房として国内外に知られる「中村外二工務店」。
ミモロは、その工房を見学させていただくことに…。
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大徳寺のそば、北大路通沿いにあるお店。その奥に、工房があります。
初代の中村外二さんは、富山県出身。大工の腕を磨き、やがて京都で認められ日本を代表する数寄屋建築の棟梁になりました。
時代を超え、脈々と受け継がれる数寄屋への美意識と技…それを踏まえながらも、現代感覚を巧みに取り入れた「現代の数寄屋」への挑戦もなさった”大工”さんです。
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茶人なら、「中村外二工務店のお茶室が欲しい…」と、憧れを抱くもの…。
”大工”というと、そのイメージは、木材を使って建物を作る人。大規模なビルやマンションなどを作るのは、建設業者と言われます。大工さんの中でも、一般住宅を作る大工、また神社仏閣を手掛ける宮大工など、それぞれの得意とするもの、また使う技術も異なるのです。
なかでも数寄屋建築は、安土桃山時代に茶道の発展と共に、それまでの豪華な意匠の書院造りを嫌う茶人たちが、虚飾を排除し、自然素材の趣を活かし、質素な雰囲気を持ちながらも、洗練された空間で、心を重んじたもてなしをしたところ。茶室という小規模な空間(世界)を構築する大工さんに求められたのは、自然素材の特性・趣を活かし、それを主人の好みや思いを伝える洗練された意匠を表現する、高度な技術と優れた美意識です。
特別に見学することになったミモロ…その作業場にドキドキしながら入ります。
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「わ~木材がいっぱい…いい香りがする…クンクン」ミモロの鼻を、木の香りがくすぐります。
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ふつう、工務店は、施主から注文を受けてから、材木屋さんに建設予定の物件に合うものを探し、注文します。でも、ここ「中村外二工務店」では、材木屋さんもビックリするほどの量と、またなかなか手に入らないような上質の木材を、備蓄しているのです。
数寄屋建築には、丸太をそのまま使うことが多いそう。柱や桁など、長いまっすぐな丸太は、美しいだけでなく、強度にも優れています。
ここでは、材料を原木で購入し、何年もかけてゆっくり適正になるまで乾燥させるのだとか。
つまり、今、建築に使われる材料は、この工務店の倉庫で、何年も大切に、出番が来るのを待っていたものなのです。
「自分たちが使いたい材料は、なかなか他では見つけるのが難しいんで、いいなぁと思った木材は、あらかじめ用意しておかないと…」と三代目となる中村公治さん。
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1本何百万円もする丸太は、ざら…。「どれを見ても、すごく美しい…こんなに細くて真っすぐな丸太見たことないかも…」と、素人のミモロでも、その素晴らしさが伝わってくる丸太です。
「中村外二工務店」の代表作といえば、松下幸之助さんが寄進した伊勢の神宮茶室。皇族の方々が参拝なさるときなどの迎賓館として使われる数寄屋造りの建物です。何年も時代を超えて残り、誇られる建物を作るのが、この工房の仕事なのです。
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ミモロは、お邪魔しないように、十分気を付けながら、工房の中を見学します。
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「わ~きれいな竹…」
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「こういう風に隙間がないように合わせるんですよ」と、ミモロに資料を見せてくださいました。
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「竹は、節があるし、それぞれ癖がありますから、それを隙間なく組み合わせるには、それぞれを微妙に削ってゆくんです」と。「え~そんなに手間がかかるんだ~」とミモロはビックリ。「そうです…」
数寄屋建築は、まさにミリ単位の作業が続きます。いいえ、それ以上かも…。
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そんな技を支えるのは、さまざまな道具…
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さまざまな年齢の方がいる工房。茶室に代表される数寄屋建築の仕事をするために、大工見習のお弟子さんたちは、お茶を習うのだそう。お茶の作法や決まり事を学ぶことで、茶室を使う人の心を知るとともに、自ずと所作が整うのだそう。
5年間の修業期間。朝から晩まで、掃除や下働きに走りまわる年月です。そこで先輩の動きを知り、道具や材料の使い方を学び、さらに現場や依頼主への振る舞いを身に着けてゆくのだそう。
「いろいろ勉強になります…ミモロももっと修業しなくちゃ…」と。一体何を修業しようとしてるかわかりませんが、工房を見学して、何か感じたようです。
いいのお掃除のお手伝いしなくて…。
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「そう?」
頂いた資料を読む進むごとに、数寄屋建築に携わる方々の本物と向き合う真摯で真剣な姿に感動しました。
「中村外二工務店」は、料亭「高台寺 和久傳」をはじめ、東京丸の内の「和久傳」、そして個人のお宅も手掛けています。
「ミモロちゃん、『興石』という照明とデンマーク椅子のお店もありますから、そちら見ますか?」と中村さん。
「はい、見せていただきたいで~す」と、ミモロは、工房のみなさんに挨拶してから、中村さんの後につづき、北大路通にめんしたお店へと向かいました。
*「中村外二工務店」京都市北区紫野西御所田町15 075-451-8012
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