世論形成の大きな力
「原発ゼロ」「再稼働反対」などを掲げて毎週金曜日に行われている首都圏反原発連合(反原連)の首相官邸前抗議行動が2日で100回を迎えます。2012年3月29日に始まった抗議行動は、「原発ゼロ」の世論をつくってきました。
(写真)再稼働反対、原発をゼロにと官邸
前行動をする人たち
=3月28日夜、首相官邸前
東京電力福島第1原発事故から3年余。国民の多数が「原発ゼロ」を望んでいます。東京新聞世論調査(4月30日付)では、「原発再稼働反対」は61%にのぼり、原発を「即時ゼロにする」「早い時期にゼロにする」「将来的にはゼロにする」を合わせると、71・5%が「原発ゼロ」を求めています。
こうした世論をつくる大きな力になってきたのが、官邸前抗議行動です。原発を推進する政府の動きに機敏に対応して、絶えることなく「原発ゼロ」の声をあげ続けてきました。毎回、初参加者の姿があります。
全国でも行動
官邸前に呼応して全国で行われている金曜行動も、定着しています。4月25日の時点で、札幌市の道庁前抗議行動は94回、鹿児島市の天文館街宣は94回、金沢市の金曜行動は92回、富山市の行動は87回、静岡県浜松市の「金曜アクション@浜松」は67回です。
各地で行動する人たちが官邸前行動に参加して、「みなさんの行動に勇気づけられています」といえば、反原連のメンバーや官邸前行動の参加者が「私たちこそ元気をもらっています」と返すこともしばしばです。
官邸前行動は、「原発ゼロ」を求める共同のうねりをつくってきました。反原連、「原発をなくす全国連絡会」「さようなら原発1000万人アクション」の3グループが力をあわせて「原発ゼロ☆大統一行動」(ノーニュークスデイ)を節々で展開。数万人の規模でアピールしてきました。国民のたたかいと世論で、昨年9月15日から国内で稼働している原発はなく、「原発稼働ゼロ」が続いています。
被災地と連帯
反原連のメンバーは4月19、20の両日、津波と福島原発事故の被災地を視察しました。
放射能汚染のためにすべての住民が避難した浪江町と富岡町。横転した自動車や漁船が放置され、小学校の体育館には卒業式の横断幕が掲げられたままでした。津波により壊滅的打撃を受けた富岡町前原地区では、避難してから3年たっても自宅に戻れない苦しみを聞きました。
浪江町の日本共産党の馬場績(いさお)町議をはじめ福島の人たちから話を聞き、被災者への十分な補償に背を向ける東京電力と、原発再稼働をすすめようとする政府への怒りもわきあがってきた、といいます。
参加者から、こんな感想がもれました。
「苦しみと行き場のない怒り、痛み、声なき声や悲しみ、憤りを想像し、ぶつけることが官邸前抗議の一つの形と思ってやってきました。原発をとめるための努力を改めてしようと思います」