広島県原水協と広島県被団協は29日、広島市中区の原爆ドームそばの元安橋で「日本政府が『核兵器禁止条約』制定のための交渉開始決議に反対したことに厳しく抗議する!」と書いた横断幕を掲げて宣伝しました。29人が参加し、原爆写真パネル十数枚を展示して「ヒバクシャ国際署名」を359人から集めました。
県被団協の佐久間邦彦理事長、大越和郎事務局長、県原水協の古田文和事務局長、川后和幸、高橋信雄の両代表理事がハンドマイクでリレートーク。佐久間氏は「私たち被爆者が念願してきたことが、やっと国連で取り上げられようとしているのは、みなさんから寄せられた署名が大きな力になっている。それを裏切る日本政府の態度を、許すことはできない」と訴えました。
母親が原爆投下直後に姉を探して入市被爆したという被爆2世の女性(65)=広島市中区=は署名に応じ、「入市した時に山ほどの死体を見たと話していた母は、体調も悪くて早く亡くなりました。今回の決議で日本政府はアメリカから圧力をかけられたようだが、被爆者のことを考えてもらわないと、また世界のどこかで被爆者が生まれることになる」と語りました。