組合員に遠隔地出向するよう強要
ソニー労働組合仙台支部(電機連合加盟)は、ソニー仙台テクノロジーセンター(宮城県多賀城市)で働く組合員が7月1日から遠隔地出向するよう強要されている問題で、正常な労使交渉を回復させるため宮城県労働委員会に労働争議あっせん申請を行っています。
ソニーは、繰り返す個人面談や、仕事を奪う「リストラ部屋」などで退職強要を行ってきました。ソニー労組のたたかいで、仕事を提示された「リストラ部屋」所属者もいました。しかし、家族を引き裂く遠隔地出向を迫るなどリストラを継続しています。
個人面談による退職強要を拒否した女性組合員(57)に対しては、宮城県北部のソニー豊里サイト(登米市)に出向する昼夜2交代勤務を提示しています。
女性組合員は「私の自宅から豊里へは、1時間半はかかり、雪が降り路面が凍結する冬場はさらに時間がかかる」といいます。
昼勤務のときは、朝5時半に家を出て、帰宅は夜10時近くなります。夜勤の場合は、午後5時半に出発し、午前10時近くに帰ることになります。12時間働いて、ヘトヘトになって自動車を長時間運転しなければなりません。「遠距離通勤でも単身赴任でも、家族生活の基盤が崩される」と訴えます。
出向を伴う配転は、団体交渉事項であり、本人の同意も必要です。しかし、会社は団交中に個人面談を行い、「出向は命令だ」と迫っています。
ソニー労組は21日、県労委事務局で実態を告発しました。▽豊里出向を強要されている組合員について、仙台工場内で就労させる▽団体交渉をしているのに、個別組合員に個人面談や仕事外し、豊里応援業務につけて出向を強要することは「オーバー・ザ・ヘッド」(頭越し)による不当労働行為(労働組合法7条3項)で、中止する―ことなどをあっせん申請しました。
県労委事務局は、直ちにソニー仙台工場に一報を入れると約束しました。
あっせん 労働委員会による労働争議の調整(あっせん、調停、仲裁)のひとつ。あっせん員が、労使双方から事情を聞き、公正な第三者として助言し、労使間で自主的な相互の歩み寄りを図るものです。