minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

篠田君のバリトンサックス

2012年11月19日 | ライブとミュージシャンたち



今年は没後20年という事でピアソラに捧げるコンサートをいろいろな場所で見かける。そのおかげで、ブエノスアイレス市民楽団の素晴らしいコンサートも無料で堪能できた。ひょんな事から篠田昌巳さんも亡くなって20年経つ事を知り・・・ピアソラと同じ年になくなったのか、と知り時の流れの速さに驚いた。

チンドンの仕事を中心にじゃがたら、生活向上委員会にも参加していた篠田君と共演した事は殆どなかった(たしか1,2回くらい)。コンポステラや黒田京子さんのバンドなどで聴いた事が1,2回ある程度。私自身はいつもどこかですれ違うくらいだったけれど、優しくて素敵な人だった。

その後、篠田君が亡くなってから、彼のバリトンサックスを林栄一さんが貰って・・・バリトン吹く場所がほしいな、ということで「Black Out」を林さんと結成したのだった。

このBlack Outは今や飛ぶ取りを落とす勢いの菊地成孔君も参加してくれ、2年ほど活動したのだが成孔くんが忙しくなった為に解散。


このCDが初期Black Out with 山下洋輔、という226LIVE CDです。ここでめずらしい林さんのバリトンソロや「カナビスの輪」で成孔君が吹きまくるという凄い演奏が聴けます。(NBAGI Record N002)

その後、川嶋哲郎、吉田隆一という新メンバーで再結成。林栄一さんは本来のアルトにまわってまた2年ほど活動したが、いろいろとあって解散w。


こっちが新メンバーのCD (N004)


さて、あのバリトンサックスはどうしたのかな・・・・と思っていたら「吉田の家に預けてあるけど、修理すれば吹いていいよ。」と林さんから聞いてさっそく吉田隆一君から受け取る事に。RIOがアルゼンチンから戻ってすぐにそのバリトンを修理に出してお借りする事になったのだった。

先月、RIOが林さんのバンド(吉田隆一君のトラ)でエアジンで演奏した際、

「これ、実は篠田からおれが形見に貰ったバリトンなんだけど、RIOにあげるよ。」

と正式にRIOが使って良いというお許しを頂いたのだった。それもお客さんの前でw。RIOは幸せ者だなあ。

昨日、ハードコアフェスでNaked MAUの演奏後に司会のマークが私にインタビューする、というコーナーがあり、その時にこのバリトンの話になった。

この話を聞いていたお客様が、

「あのバリトンが篠田さんのだったなんて驚きました。僕は昔、篠田さんの大ファンだったんです。頑張って下さいね。」と声をかけていただき、身の引き締まる思いだった私たち親子。

天国の篠田君に喜んでもらえるよう、ますます練習に磨きがかかる事でしょう。篠田くん、そして林さんありがとうございます。

そしてRIOは来年成人式を迎える。




ハードコア三昧

2012年11月19日 | ライブとミュージシャンたち
先週の土曜はどしゃ降り。そんな中、久しぶりのApple Jumpだった。誰も来てくれないんじゃないかな~ともの凄く不安だったのに、予約までして来て下さった方々、本当に本当にありがとうございます!投げキッス!!

そして翌日(日曜)は六本木スーパーデラックスで濃い濃いハードコアジャズフェスティバルにNaked MAUで久しぶりに演奏させていただいた。

今回のフェスティバル仕掛人、マーク・ラパポート氏とは20年以上も昔からの友人。私が春樹さんの「ピーターキャット」のあとに「下北沢いーはとーぼ」で懲りずにバイトをした時に常連だったのだ。

当時は広島弁をしゃべる変わった外人、と思っていたのだが、今日聞いたら「さちと一度デートしてるんだよね。」ってびっくり。いーはとーぼの今沢さんが「お前ら2人で行ってこい!」とカーラブレイのライブチケットを貰ってコンサートに2人で行ったそうな。あはは~。記憶力のない私はまったく覚えてなかったけど・・・汗。

彼とまたこうやって仕事ができる日が来るなんて、本当に長くやってきてよかったな~~~とつくづく思う一日だった。

トップバッターが私たちNaked MAU。久しぶりの再会にリハーサルから和気あいあいのミーティング風景。写真 by せいちゃん


Naked Mauの次に太田恵資vlnと今堀恒夫gのユニット。完全即興だったが素晴らしい音楽性で太田さんがいろいろなアイデアで全員をひっぱっていきながら・・・・最後の太田さんのボイスはいつもながらホレボレしちゃう。本当に凄い声だな~。

夕食を食べて会場に戻ると八木美知依さんのDouble Band。相変わらず男前な八木さんの箏にイケメンの男たちが翻弄されるというバンド。しっかし、ドラムの珠也君、格好いい~~~!!!!!!Rioはサングラス姿の珠也君を見て「匿名係長に出てくる人に見えた!」あはは、高橋克典似ってことか?12月1日のエアジンと8日のバレルハウス、TReS with 本田珠也がますます楽しみ~。

そして、最後はドイツから来日ツアー中のブロッツマン大先生の登場。ギターのジム・オルークは噂には聞いていたけれど素晴らしいギターリストだった。日本代表(笑)のドラマー山本達久もキレがある美しく迫力のあるドラマー。そしてなんと言っても圧巻なのはブロッツマンのサックスの音。深いサブトーンとあのフリーキーでパワフルなアルトの音色にはびっくり。20年前に西ドイツで出会った頃とまったく変わっていないじゃん!!

ブロッツマンとその頃の話で盛り上がった。

「どうしてそんなにエネルギーがあるの?いくつですか?」
「わからないけど、俺はもう70すぎだよ(74歳らしい)。でもお酒はすっかりやめたんだ。」
「あの時いた、ペーター(コバルトbass)もハンス(ライヒエルg)ももういないね・・・・。」

本当に元気なブロッツマンには脱帽でした!!私も70過ぎてあんなパワフルに音が出せたらいいなあ。

いろいろなエネルギーに溢れたフェスティバルだったな。また来年も続けてください。マーク&マイク、フェスティバルに喚んで下さって本当にありがとう!!