『テロ,ライブ』(英題:The Terror Live)
監督:キム・ビョンウ
出演:ハ・ジョンウ,イ・ギョンヨン,チョン・ヘジン,キム・ホンファ,
キム・ソジン,イ・デヴィッド,イム・ヒョンソン他
『わたしは生きていける』→『グレートデイズ! 夢に挑んだ父と子』と来た後、
テアトル梅田に移動して。今度は30分の余裕あり。
お昼ごはんをゆっくり食べるほどには時間がないのと、
前日のお酒がまだ残っていて食欲なし、
自販機でサンガリアの“みっくちゅじゅーちゅ”を購入してグビッと。
32歳の新鋭監督による韓国の大ヒット作品。
主演は『絶対の愛』(2006)、『チェイサー』(2008)、『哀しき獣』(2010)と、
二度は観たくないけれども、心から離れない作品に多く出演しているハ・ジョンウ。
国民的人気を誇るTVキャスターだったユン・ヨンファは、
ある不祥事の尻ぬぐいのため、同局のラジオ番組担当へと左遷される。
そのせいで同僚だった妻のイ・ジスと離婚、踏んだり蹴ったりの境遇。
いつかキャスターに返り咲いてやると心に誓っている。
そんなある日、ラジオの生放送中にかかってきた1本の電話。
電話の主がその日の話題とはそれた話を始めたものだから、
ヨンファは電話を早々に切ろうとする。
ところが、電話が切れない。
橋を爆破すると言いだし、ただのいたずら電話かと思いきや、外で爆音が。
TV局からも見える漢江にかかる麻甫大橋が爆破されたのだ。
これは一大スクープになる。キャスターに返り咲くまたとないチャンス。
警察に通報しようとするラジオ番組のプロデューサーを制し、報道局長のチャのもとへ。
チャはヨンファの手柄を独り占めして自分を左遷した張本人。
視聴率を取ってもっと出世したいチャの心を読み、ヨンファはチャに掛け合う。
キャスターに復帰させてくれるなら、チャの番組で犯人との通話を独占生中継させてやると。
テロリストは建設作業員のパク・ノギュと名乗り、
麻甫大橋の建設に携わっていたらしい。
2年前、麻甫大橋の補修工事中に仲間3人が転落事故で亡くなったが、
仲間の遺族は何の補償も受けられなかったばかりか、
過酷な労働がたたっての事故だというのに、政府からひと言の謝罪もないと言う。
彼の要求はただひとつ、作業員に対する大統領の謝罪。
爆破された麻甫大橋は分断された形で、中央部に取り残された多くの人びと。
テロリストの許可なく救出に向かえば、また爆破されてしまう。
ヨンファは人質の安全を最優先して大統領が謝罪すべきだと考えるが、
政府はテロリストとはいっさい交渉しないと断言し……。
公開前にはヨンファの報道シーンをそのまま利用した映画鑑賞マナーが流れていました。
あのシーンは本当はこれだったのねなどと思いながら。
韓国で起きた大型旅客船“セウォル号”の事故では、
みんなが責任を押しつけあっていました。
それよりずっと前に撮られていた本作は、あの事故をまるで予見していたかのよう。
大変なことが起きているというのに、誰も彼もが自分のことしか考えていません。
主人公も報道局長も他のメディアも、このスクープにいかに乗るかを考え、
テロリストもそれを上手く利用します。
大統領は逃げ回っているのか姿を見せず、代理でやってきた警察局長の態度は傲慢そのもの。
何の根拠もなく、レポーターの「全員助かります」という言葉のむなしさ。
緊迫感に満ちた、無駄なしの98分間。
悲しくやるせない結末にジャーナリズムの在り方、責任の取り方を考えさせられます。
たったひと言、謝ることが、そんなにむずかしいことなのか。
監督:キム・ビョンウ
出演:ハ・ジョンウ,イ・ギョンヨン,チョン・ヘジン,キム・ホンファ,
キム・ソジン,イ・デヴィッド,イム・ヒョンソン他
『わたしは生きていける』→『グレートデイズ! 夢に挑んだ父と子』と来た後、
テアトル梅田に移動して。今度は30分の余裕あり。
お昼ごはんをゆっくり食べるほどには時間がないのと、
前日のお酒がまだ残っていて食欲なし、
自販機でサンガリアの“みっくちゅじゅーちゅ”を購入してグビッと。
32歳の新鋭監督による韓国の大ヒット作品。
主演は『絶対の愛』(2006)、『チェイサー』(2008)、『哀しき獣』(2010)と、
二度は観たくないけれども、心から離れない作品に多く出演しているハ・ジョンウ。
国民的人気を誇るTVキャスターだったユン・ヨンファは、
ある不祥事の尻ぬぐいのため、同局のラジオ番組担当へと左遷される。
そのせいで同僚だった妻のイ・ジスと離婚、踏んだり蹴ったりの境遇。
いつかキャスターに返り咲いてやると心に誓っている。
そんなある日、ラジオの生放送中にかかってきた1本の電話。
電話の主がその日の話題とはそれた話を始めたものだから、
ヨンファは電話を早々に切ろうとする。
ところが、電話が切れない。
橋を爆破すると言いだし、ただのいたずら電話かと思いきや、外で爆音が。
TV局からも見える漢江にかかる麻甫大橋が爆破されたのだ。
これは一大スクープになる。キャスターに返り咲くまたとないチャンス。
警察に通報しようとするラジオ番組のプロデューサーを制し、報道局長のチャのもとへ。
チャはヨンファの手柄を独り占めして自分を左遷した張本人。
視聴率を取ってもっと出世したいチャの心を読み、ヨンファはチャに掛け合う。
キャスターに復帰させてくれるなら、チャの番組で犯人との通話を独占生中継させてやると。
テロリストは建設作業員のパク・ノギュと名乗り、
麻甫大橋の建設に携わっていたらしい。
2年前、麻甫大橋の補修工事中に仲間3人が転落事故で亡くなったが、
仲間の遺族は何の補償も受けられなかったばかりか、
過酷な労働がたたっての事故だというのに、政府からひと言の謝罪もないと言う。
彼の要求はただひとつ、作業員に対する大統領の謝罪。
爆破された麻甫大橋は分断された形で、中央部に取り残された多くの人びと。
テロリストの許可なく救出に向かえば、また爆破されてしまう。
ヨンファは人質の安全を最優先して大統領が謝罪すべきだと考えるが、
政府はテロリストとはいっさい交渉しないと断言し……。
公開前にはヨンファの報道シーンをそのまま利用した映画鑑賞マナーが流れていました。
あのシーンは本当はこれだったのねなどと思いながら。
韓国で起きた大型旅客船“セウォル号”の事故では、
みんなが責任を押しつけあっていました。
それよりずっと前に撮られていた本作は、あの事故をまるで予見していたかのよう。
大変なことが起きているというのに、誰も彼もが自分のことしか考えていません。
主人公も報道局長も他のメディアも、このスクープにいかに乗るかを考え、
テロリストもそれを上手く利用します。
大統領は逃げ回っているのか姿を見せず、代理でやってきた警察局長の態度は傲慢そのもの。
何の根拠もなく、レポーターの「全員助かります」という言葉のむなしさ。
緊迫感に満ちた、無駄なしの98分間。
悲しくやるせない結末にジャーナリズムの在り方、責任の取り方を考えさせられます。
たったひと言、謝ることが、そんなにむずかしいことなのか。