夜な夜なシネマ

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『アウトバーン』

2016年06月21日 | 映画(あ行)
『アウトバーン』(原題:Collide)
監督:エラン・クリーヴィー
出演:ニコラス・ホルト,フェリシティ・ジョーンズ,マーワン・ケンザリ,
   ベン・キングズレー,アンソニー・ホプキンス,クレーメンス・シック他

平日のナイター、甲子園でソフトバンク戦を観戦する日、
その前に午後休を取ってTOHOシネマズ西宮へ。

イギリス/ドイツ作品。
イギリス出身のエラン・クリーヴィー監督の作品で、
メガホンを取るのは『ビトレイヤー』(2013)に次いで2作目。

「アウトバーン」といえばドイツ。
2002年、2006年とドイツへ遊びに行ったとき、気持ちよく走りました。
てっきりアウトバーンをかっ飛ばす(だけ)の作品だと思っていたら、
意外にアウトバーンの疾走シーンは少なかった。
それもそのはず、原題は全然ちがう“Collide”で、「衝突する」の意なんだもの。

自動車泥棒の天才的な腕を持つアメリカ人青年ケイシーは、
ドイツでマフィアを率いるゲランのもとで働いている。
ある日、アメリカ人女性ジュリエットに一目惚れ。
彼女を口説くために裏社会から足を洗うことを決意、真っ当な仕事に就く。

一緒に暮らしはじめたふたりがつましくも幸せな日々を送っていた矢先、
ジュリエットが腎臓に重い疾患を抱えていることが判明。
生き延びるためにはアメリカに帰国して移植を受けなければならない。
手術には20万ドルもの費用が必要で、とても払えない金額。
ケイシーはゲランにまた仕事がしたいと連絡する。

ゲランの狙いは、一見ビジネスマン、実は麻薬王のハーゲンを陥れること。
これまでゲランはハーゲンの忠実な部下となって仕事をこなしてきた。
いつかハーゲンに対等なパートナーとして認められることを願っていたのだが、
その申し出をハーゲンから鼻で笑われ、出し抜くことを画策中。

ケイシーは気心の知れた相棒タラスと組み、
ハーゲンがチリから密輸した膨大な量のコカインをトラックごと強奪することに。
綿密な計画を練り、決行の日を迎えるのだが……。

ケイシー役のニコラス・ホルトは子役から順調にキャリアを積み上げている俳優。
『アバウト・ア・ボーイ』(2002)の面影そのままに、
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)ではインパクトあるウォーボーイ。
ほわ~んとした和み顔でどこか情けなさを感じさせますが、
マヌケにも知的にも見えるのがいいところ。

アウトバーンを疾走するシーンが意外に少なかったのは期待外れですが、
それを差し引いても痛快。何しろ脇を固めるのが老齢の両名優。
ゲランにはベン・キングズレー、ハーゲン役にはアンソニー・ホプキンスですから。

悪は叩きつぶされて、愛は勝つ。
軽く観るにはもってこいの作品でした。

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