『ホームステイ ボクと僕の100日間』(英題:Homestay)
監督:パークプム・ウォンプム
出演:ティーラドン・スパパンピンヨー,チャープラン・アーリークン他
テアトル梅田にて3本ハシゴの3本目。
『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017)の製作チームが、
森絵都の児童文学『カラフル』を映画化したタイ作品。
ヒロイン役のチャープラン・アーリークンは、BNK48のキャプテンだそうな。
秋元康プロデュースのグループがタイにもあるって知らなんだ。
遺体安置室の中で目覚めたボク。死人が生き返ったと看護師が卒倒しかける。
記憶はまったくなく、何がどうなっているのやらわからずに戸惑っていると、
「管理人」を名乗る男が現れて言うには、一旦死んだボクは「抽選」に当たり、
自殺したばかりの男子高校生ミンの肉体に「ホームステイ」する権利を得た。
病院で息を吹き返したミンとして人生を再スタートさせることができる。
ただし、ミンの自殺の原因を100日以内に突き止めよとのこと。
もしも突き止められなかった場合はボクの魂は永遠に消える。
突き止められた場合はそのままミンとして生きることができるのだと。
家族のことも同級生たちのことも何も覚えていないながらも、
なんとかミンのことを探って自殺の原因を調べようとするボク。
母親はミンのことを誰よりも大事に思っている様子。
父親はひとでなしのようだし、兄はボクを嫌っているようだ。
学校では同じ応援部に所属する女子リーがボクの親友。
優等生の後輩パイのことをボクは好きで、向こうもたぶんボクのことが好き。
さまざまな状況からまず自殺の原因を兄ではないかと考えるボクだったが……。
20年くらい前のタイ作品と比較して、どんどん洗練されてきているように思います。
昔はムエタイかニューハーフの印象が強かったですから。
ミン、パイ、リーが初々しくて、特に私はリー役のSaruda Kiatwarawutが好き。
日本語のサイトがなくてなんと読めばいいかわかりません。(^^;
親友としてつきあっているけれど、ミンに寄せる想いが切なさいっぱい。
『バッド・ジーニアス』でも感じた、良い成績を収めることがとにかく必要な社会。
特にあまり裕福でない家庭では、よからぬことを求められても応じるしかない状況らしい。
そんなこともわかって、興味を引かれます。
誰もわかってくれない。自分はひとりぼっちだと思い込んで命を絶つ人がいる。
本当にそんな境遇にある人もいるかもしれないけれど、
もしこれまでの人生を見つめ直してみたら、こんなこともあるかも。
あの人にもこの人にも好きだと伝えたい、そんな気持ちになる作品だと思います。