夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『たわわな気持ち』

2019年11月09日 | 映画(た行)
『たわわな気持ち』
監督:古澤健
出演:松本菜奈実,あけみみう,加藤ツバキ,古澤健,川瀬陽太,後藤ユウミ他
 
コインパーキングの値段がアホみたいに高くなりました。
以前なら終業後に梅田まで車を飛ばしてシネ・リーブル梅田で2本ハシゴしても、
駐車場代は500円とかだったのに、今はその3倍くらい取られる。
なんとか最大料金1,320円のタイムズを見つけて駐車。
それにしてもこの10月から駐車料金に端数が付くとこ多すぎ。(^^;
 
前述の『トスカーナの幸せレシピ』だけ観て帰るつもりでしたが、
20分220円の駐車場で最大料金分を払って1本観るだけってなんかもったいない。
やっぱり2本観ることにしました。
 
選択肢いろいろ。
村上春樹のドキュメンタリーも気になるし、観そびれていたフランス作品もある。
で、ノーマークだったのが本作。21:00からの回で舞台挨拶付きってどーゆーこと?
 
劇場のリーフレットで調べてみたら、“OP PICTURES+フェス”なるものを開催中。
日本で最初にピンク映画を配給したのが大蔵映画株式会社。1962年のこと。
以後、大蔵映画は「OP PICTURES(オーピー ピクチャーズ)」名義で36本のピンク映画を製作。
ピンク映画をより多くの人に観てもらえるようにと企画されたのがこれらしい。
2015年に始動したプロジェクトだそうで、
そういえば去年もシネ・リーブルでピンク映画やってるなと思った記憶が。
せっかく舞台挨拶付きの回を観る機会に恵まれたのですから、これは観たい。
ちなみに本作にはR15+とR18+バージョンがあり、上映していたのはR15+バージョンでした。
 
エロ雑誌ライターの綾(松本菜奈実)は肇(古澤健)と同棲中。
しかし肇はモラハラ気味で、綾の仕事を貶めるようなことばかり言う。
AVのような行為を求めるとはしたないと叱られ、どうしていいのか悩む日々。
 
ある日、肇が脱ぎ捨てた上着のポケットから風俗のスタンプカードを発見。
肇はカレン(あけみみう)という風俗嬢をいつも指名しているらしく、
カレンと会ってみたくなった綾は、取材のふりをして面会を申し込む。
 
取材の途中で、綾は自分が肇の恋人であることをカレンに伝え、
いつも肇がどういうプレイに勤しんでいるのかを尋ねる。
すると驚くことに、肇はコスプレを好み、自分はコンビニの店長役、
カレンにはそのアルバイト役を務めさせていることがわかり……。
 
女性客がいることで男性客が楽しめないかもしれないとも思いますし(笑)。
これが新世界の劇場とかなら絶対観に行けませんが、シネ・リーブルならもちろん大丈夫。
 
知っている俳優は綾の同僚で見た目冴えないけどモテる男、一郎役の川瀬陽太のみ。
お世辞にも上手いとは言えない女優陣の演技に萎えそうになっていたのですが、
彼女たちれっきとしたAV女優なんですね。
そらそうか、私がAV女優いろいろ知ってたらおかしいですよね。(^^;
彼女たちの一生懸命さは伝わってくる。
 
上映終了後の舞台挨拶、古澤健監督の話がすごく面白かった。
AV女優は目の前にカメラがあるのが普通だから、
カメラが遠くにあると逆に落ち着かないそぶりを見せるとか。なるほど。
 
肇役を監督自ら演じています。
自分で濡れ場を演じていいものか考えているときに
ロマン・ポランスキー監督の『テナント/恐怖を借りた男』(1976)を観て、
なぁんだ監督本人がずっぽりこんなことやってるじゃん、
じゃあ僕もやっちゃおうと思ったそうな(笑)。
 
監督曰く、「いつから映画に“余韻”が求められるようになったのか」。
昔は余韻なんて求められていなかったのに、
実生活っぽい映画、つまり余韻を皆が望むようになったのではと。
余韻要らんやんと笑う監督。そう言いつつ、ありますよね、余韻(笑)。

女も観られるピンク映画、観に行ける環境を歓迎します。


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