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『ママをやめてもいいですか!?』

2020年04月11日 | 映画(ま行)
『ママをやめてもいいですか!?』
監督:豪田トモ
ナレーション:大泉洋
 
不要不急の外出は控えよと言われても、映画を観るのは私の生き甲斐。
劇場が休業しているならともかく、営業しているならば行きたい。
どこもかしこも開店休業状態になって潰れちゃったりしたら困るのです。
テアトル梅田へ。
 
豪田トモ監督、失礼ながら存じ上げません。
お名前を見ててっきり女性だと思っていました。男性だとは。
中央大学法学部を卒業してサラリーマン生活を送ったのち、
突然(だったかどうかは知らんけど)映画監督になろうと海外へ。
修行を積んで何本かの短編映画を制作。
 
日本に帰国してフリーの映像クリエイターに。
自身のプロダクションを立ち上げて、『うまれる』(2010)を製作、公開。
その『うまれる』でも本作でもプロデューサーを務めている牛山朋子さんが奥様とのこと。
『うまれる』は現在も各地で自主上映会がおこなわれているそうです。
 
さて、私は、以前にもこのブログに書いたことがあるかもしれませんが、
幼稚園のとき、いじめられっ子でした。
と言ってもいじめっ子はふたりだけ。彼女たちはいとこ同士でした。
入園初日に母から離れたくないと私は園庭で大泣きし、
それを面白がったいとこ同士のふたりに運悪く背の順で挟まれることに。
頭から砂をかけられたり、ねちねちと意地悪なことを言われたり。
近頃のいじめと比べれば何ちゅうことないいじめだったと思いますが、
そのことが心の傷となったせいで、自分で子どもを持つ気には到底なれませんでした。
 
幸いにしていじめっ子ふたりは別々の小学校に。
片方と私は同じ小学校でしたが、ひとりじゃ何にもできないいじめっ子。
同じクラスになることもなく、小学校以降は私は楽しい毎日を過ごしました。
でも、自分の子どもがあんな目に遭うかもしれないと思ったら怖すぎて。
 
このドキュメンタリー作品に登場するママたちは、
そういうことではないけれど子育てについて悩んでいるのだと思っていたら、
ひとりは幼い頃に母親が自殺、もうひとりはやはり幼少期に母親が蒸発と、
私のいじめられた話なんて屁でもないぐらいの体験をされていました。
 
そのせいで、完璧な母親になりたいという気持ちが強すぎたり、
なのに子どもを抱きしめることに躊躇したり。
子どもはそれを感じ取っているのか、「ママは私のことが好き?」と手紙を書いてきたりする。
 
もっとシンプルかつ切実に悩んでいるママたちもいっぱい。
パパに手伝ってほしい、でもなかなか言えない。
してほしいことがあれば何でも言ってくれと言うけれど、
実際に言えば嫌な顔をするじゃない、とか。
「もっと早く帰ってきて」、でも「もっと稼いできて」、
どないせえっちゅうねんというパパの声もあります。
 
ママたち、みんな凄い。
私はチャレンジしなかったことだから、本当に凄いと思う。
涙ぽろぽろこぼれました。
 
コロナ騒ぎのなか、子どもと自分だけの時間が増えて、
ストレスを溜め込んでいるママたちも多いはず。
オンライン署名が1000名分集まったら、オンライン上映が実現するそうです。
署名に参加しませんか。

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