『クルエラ』(原題:Cruella)
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:エマ・ストーン,エマ・トンプソン,ジョエル・フライ,ポール・ウォルター・ハウザー,
エミリー・ビーチャム,カービー・ハウエル=バプティスト,ジョン・マクリー,マーク・ストロング他
シネマート心斎橋で2本観た後、シアタス心斎橋へ。
イオン系の劇場はどこも感染対策がいちばん行き届いているように思います。
座席をひとつ飛ばしで販売していても、客が座ろうと思えば座れる劇場が多いなか、
イオンシネマは好き勝手に座れないようにきちんとテープが貼られています。
コロナ騒動が始まってまもなくはどこの劇場もそうしていたのですが、
いちいちテープで留めたり紙を貼ったりするのは面倒なのか、今はそうでもありません。
イオンシネマではそれをちゃんとずっと続けているのですね。
シアタス心斎橋は新しいこともあってか、よりキッチリ。
座席と座席の間はパーティションで仕切られていて、
座席の背中側の隙間にも覆いが取り付けられています。安心。
だからって油断しちゃいけません。
以前と変わらぬ日々を送っている私は、絶対コロナに罹れない。
それ見たことかと言われぬよう、十二分に気をつけなくちゃ。
本作はシアタス心斎橋でロングランになっていると思われます。
公開はかれこれ3カ月前。当時は茨木などでも上映されていましたが、わりと早く終了。
なぜか心斎橋でだけずーっと上映されていて、客も結構入っているのです。
で、気になっていたので観ることに。面白いやんか!
“クルエラ”は、ディズニーの『101匹わんちゃん』に登場する悪役。
そのクルエラの誕生秘話というのが本作。
イメージとしては『101』(1996)とその続編『102』(2000)のグレン・クローズしかないでしょう。
それをエマ・ストーンが演じるとこんなふうになるのか。
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』 (2017)と引き出しの多いクレイグ・ギレスピー。
生まれつき髪の毛の半分は黒、もう半分は白の少女エステラ。
学校でいじめられても決して怯まず、逆に相手を残酷なまでに痛めつける面を持つ。
彼女の良き理解者である優しい母親キャサリンは、“cruel(=残酷)”をもじって“クルエラ”と彼女にあだ名を付ける。
問題児のエステラが退校させられたことから、親子は心機一転、町を出る。
途中、キャサリンはつてを頼って当面の生活費をつくろうとするが、
その屋敷で飼われていたダルメシアンに襲いかかられ、還らぬ人となってしまう。
たったひとりになったエステラは、飼い犬のバディを連れてロンドンへ。
そこで同様に身寄りのない少年ジャスパーとホーレスに出会い、共に生活を始める。
3人は泥棒で食いつなぎながら、それなりに楽しく暮らしていたが、
ファッションデザインの才能を持つエステラのために、
ロンドンで最も有名な百貨店リバティに潜り込めるよう、ジャスパーが手はずを整える。
せっかくリバティに就職したというのに、仕事は掃除ばかり。
ヤケになって騒動を起こしたのをきっかけに、カリスマデザイナーのバロネスに拾われて……。
バロネス役のエマ・トンプソンが出てきたとき、なんと高貴なんだと思いました。
この人の英語を聞くと、イギリス英語に毎度憧れます。
ところがバロネスの嫌な性格がわかり始めると、その上品さが逆に下品に聞こえる(笑)。
憎たらしいのなんのって。
これまでのクルエラのイメージそのものがバロネスなんですね。
となるとクルエラを応援したくなるし、
歴代の悪役にランキングされるクルエラのことがとても愛おしくなります。
バロネスの秘書でありながらクルエラを助けるジョン役にマーク・ストロング。
この人の役どころにはいつも惹かれます。
ロングランになるのも納得の1本。オススメです。