夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『フリー・ガイ』

2021年08月28日 | 映画(は行)
『フリー・ガイ』(原題:Free Guy)
監督:ショーン・レヴィ
出演:ライアン・レイノルズ,ジョディ・カマー,ジョー・キーリー,リル・レル・ハウリー,
   ウトカルシュ・アンブドゥカル,タイカ・ワイティティ,チャニング・テイタム他
 
109シネマズ箕面にて。もちろん字幕版を鑑賞しました。
 
ショーン・レヴィ監督、大好きです。
皆さんご存じであろう作品としては“ナイトミュージアム”シリーズ。
『リアル・スティール』(2011)なんかも知名度高いか。
劇場未公開だったけどめちゃくちゃ面白かったのが『インターンシップ』(2013)。
どれもこれもワクワクさせてくれて、ちょっぴり切なくもある作品ばかり。
 
ついついそっちを優先して観てしまったのですが、こっちに軍配。
スカヨハの元ダンナでブレイク・ライブリーの現ダンナ、ライアン・レイノルズ、絶好調です。
 
毎日同じ時間に起きて、金魚に「おはよう」の挨拶。
シャツとチノパンに着替え、出勤途中のカフェで「いつもの」コーヒーを買う。
巡査に声をかけたら勤務先の銀行へ向かい、窓口業務に就く。
そのうち銀行強盗がやってきて、犯人から言われたとおりに床に伏せたまま、
別に不安も感じずに、警備員で親友のバディと世間話をする。
そんな日々を繰り返している好青年ガイ。
 
実は彼は大人気オンラインゲーム“フリー・シティ”の中のモブキャラ(=背景キャラクター)。
バディもカフェの店員も巡査も、みんなモブキャラ。
モブキャラにはプレイヤーはいないし、いつも同じように行動し、同じ台詞を言うだけ。
なのにある日、ガイはふとカフェで口走る。「いつものじゃなくてカプチーノにしてみようかな」。
これに周囲のモブキャラが大慌てしたのを見て、「冗談冗談」と言うガイ。
 
プレイヤーのいるアバターは皆、サングラスを装着している。
ガイたちモブキャラとは住む世界が違う、カッコイイ人たち。
ところがガイは、サングラス族の中に理想の女性を見つけてしまう。
 
彼女はモロトフ・ガール、プレイヤーはミリーという女性。
ミリーは男友達のキーズとあるゲームを開発したが、
それを最大手ゲーム会社“スミナ”の社長アントワンに奪われた。
自分たちのコードが盗まれたことを証明しようと、ゲームの中で証拠を探すミリー。
そこへ現れたガイがプログラムにないはずの行動を取るものだから、ミリーは驚き……。
 
自分がモブキャラだとは知らずに生きてきたガイ。
理想の女性を探し、それがモロトフ・ガールだと知り、猛然とアタックする。
純粋無垢な感情しか持っていないので、めちゃくちゃ素直。
“フリー・シティ”は殴ったり殺したりすることでレベルが上がるゲームですが、
モロトフ・ガールから「レベルが上がったらつきあってあげる」みたいに言われて、
ならばとアバターが銃を撃てないようにすることでレベルを上げる。
異例の行動でがんがんレベルを上げて行くガイはたちまち人気者になります。
 
ミリーとキーズが開発したゲームは、バイオレンスではない。
もっと平和なゲームを開発したはずなのに、コードを盗用されて、
こんな「美しくない」ゲームができ上がってしまった。
そして、ふたりが目指していたのは、ゲームの中で成長するAI(人工知能)
 
アントワン役で出演しているのはタイカ・ワイティティ
この人、『ジョジョ・ラビット』(2019)の監督さんですよ。絶対変だ(笑)。
監督しても出演しても面白すぎます。
 
AIが出てくる映画って、開発者の意図に反してAIが感情を持ち
悪いほうに話が進むことが多い。
でも本作では、AIにも性善説が適用されるかのようで、すごくよかった。
AIの予期せぬ暴走はあるかもしれないけれど、
開発者がこんな心を持っていれば、悪いほうには進まない。
 
「僕は君へのラブレター」。ちょっと泣いちゃいました。
この台詞を聴くために、もう1回観たくなっています。

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