『丸木位里・丸木俊 沖縄戦の図 全14部』
監督:河邑厚徳
ナレーション:ジョン・カビラ
これまで洋式1、和式2だったトイレもすべて洋式になっていました。
知りませんでした。
画家夫妻の丸木位里と丸木俊のことも、その作品『沖縄戦の図』も。
沖縄戦が描かれたこんな大作があったとは。
前衛水墨画家の丸木位里とその妻で洋画家の丸木俊。
ふたりが最晩年の1982年から1987年にかけて取り組んだ『沖縄戦の図』は、下記の全14部で構成されています。
「集団自決」「喜屋武岬」「久米島の虐殺(1)(2)」「暁の実弾射撃」「亀甲墓」「ガマ」「ひめゆりの塔」
「沖縄戦の図」「沖縄戦―きやん岬」「沖縄戦―自然壕」「チビチリガマ」「シムクガマ」「残波大獅子」。
風景画が得意な位里と、人物を主に描いてきた俊と。
忘れてはいけない、芸術を以て後世に伝えて行かねばならないと、
丸木夫妻は当事者たちに丹念な取材を重ね、それを絵に落とし込んで行ったそうです。
俊が人物を描くと、その上に位里が墨を走らせる。
ありゃあ、消えちゃったなと思っていると、しばらくして俊の絵が浮かび上がってきたとか。
その手法も面白いけれど、そこに描かれたものが凄まじくて愕然とします。
戦争は終わってから数日経っているにもかかわらず、自決を求められる。
玉砕してこそ日本人。そんなのおかしくないですか。
手榴弾を浴びて死んで行った母親。しかしそのお腹の下にいた6歳の男児は生きていました。
子どもを産み、育てた母親は、死ねと言われても死ねなかった。その俊の言葉に涙が出る。
これらの絵を劇場の大画面で観ることができてよかった。