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『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』

2023年09月17日 | 映画(ま行)
『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』(原題:A Haunting in Venice)
監督:ケネス・ブラナー
出演:カイル・アレン,ケネス・ブラナー,カミーユ・コッタン,ジェイミー・ドーナン,ティナ・フェイ,ジュード・ヒル,
   アリ・カーン,エマ・レアード,ケリー・ライリー,リッカルド・スカマルチョ,ミシェル・ヨー他
 
映画を観ている場合ではない日々が続いていましたが、一応落ち着いたので劇場通い復活。
連休初日だった昨日、まずはTOHOシネマズ梅田別館にて。
 
アガサ・クリスティの“名探偵ポアロ”シリーズをケネス・ブラナーが自ら主演で撮る。
ケネス・ブラナーはもともとシェイクスピア役者として名を馳せているで、知的すぎるところが少し鼻につきます(笑)。
私は役者としての彼よりも、監督に専念しているときの作品のほうが好きかもしれません。
近年の監督作では特に『ベルファスト』(2021)が大好きでした。
 
さて、本作はやはり鼻につくポアロ役なのですが、鼻につくからこそ似合っている。
同シリーズの前作2つにしても、すごく好きだったわけではないけれど、飽きずに最後まで観られます。
ということはやっぱり面白いのかしらん。
 
1947年。探偵を引退してイタリア・ベネチアで隠遁生活を送るエルキュール・ポアロ。
ハロウィンの日、旧友で人気推理小説作家のアリアドニ・オリヴァが訪ねてきて、
ある屋敷でおこなわれる降霊会に参加しようと誘われる。
 
超常現象を完全否定するポアロは断ろうとするが、オリヴァが言うには、この霊媒師は本物だと。
霊媒師なんて詐欺師に決まっていると、トリックを見破るためにポアロは参加することに。
 
オリヴァが絶賛する霊媒師ジョイス・レイノルズが到着し、降霊会の準備が整う。
屋敷の主人はオペラ歌手のロウィーナ・ドレイクで、彼女の一人娘アリシアが過日自殺、その霊を呼び出すのだ。
 
参加者は女主人とオリヴァ、ポアロのほか、家政婦のオルガ・セミノフ、
帰還兵で心に傷を持つ家庭医のレスリー・フェリエ、その息子でまだ幼いながら舌を巻く賢さのレオポルド。
元警察官で今はポアロの護衛を務めるヴィターレ・ポルトフォリオと、レイノルズの助手も同席。
さらに、アリシアを振ったとされる元恋人マキシム・ジェラードが匿名の手紙によって招待されてやってくる。
 
レイノルズの詐欺を序盤で見抜いて指摘したポアロだったが、その後も説明のつかないことが起きてお開きに。
直後、レイノルズの衣装を身につけてみたポアロが襲われたかと思うと、レイノルズが殺害される。
通報しようとするポルトフォリオに、ポアロは屋敷から誰も出られないように施錠することを指示。
オリヴァを助手としてひとりずつに聴取しはじめるのだが……。
 
最近、映画も亡霊が登場するものに関わることが多く、また亡霊かよと思いました。
本作はホラーではないけれど、それでも亡霊かと思うようなシーンは怖い。
でもいろいろと観ていると、「出てきそうなシーン」が予測できるのですよね。
だから、「来る」と思ったときには上手く目線を逸らすことができました(笑)。
 
ケネス・ブラナーとレイノルズ役のミシェル・ヨーを除けば日本ではさほど知名度の高くない役者ばかりですが、
どこかで見たことのある演技派が多い。
セミノフ役のカミーユ・コッタン、フェリエ役のジェイミー・ドーナン、オリヴァ役のティナ・フェイ
子役のジュード・ヒルは上記のジェイミー・ドーナンと共に『ベルファスト』に出演しています。
女主人のケリー・ライリーも見た顔だし、ポルトフォリオ役のリッカルド・スカマルチョといえば、
私の中ではなんといっても『あしたのパスタはアルデンテ』(2010)。
 
ポアロにまで亡霊が見えることにどんな説明をつけるのかと思っていたら、ちゃんと解明されていました。
でも、霊が何かを訴えたがっているということはあるのかもしれません。
 
ベネチアの風景も楽しい。
明るい作品ではありませんが、それなり以上に面白いと思います。

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