『海辺の映画館 キネマの玉手箱』
監督:大林宣彦
出演:厚木拓郎,細山田隆人,細田善彦,吉田玲,成海璃子,山崎紘菜,常盤貴子,小林稔侍他
申し訳ないことですが、昔から苦手なんです、大林宣彦監督。
しかし今春この世を去られてこれが遺作になりました。
苦手だと言っても大監督、敬意を払って観に行かなくちゃ。
TOHOシネマズ西宮へ。
20:15上映開始でまさかの179分。予告編が15分近くあるから、終わったら23時半。
家に帰ったら日付変わるっちゅうねん。あー、しんどと思いながら。
なぜか原作は『波の上のキネマ』だと思い込んでいました。
映画館、海と波で私の完全な勘違い。
映画化したらえらく変わるものだと思っていたのが可笑しい。
まったく別物なんだから、全然ちがって当たり前。
尾道の海辺にある唯一の映画館“瀬戸内キネマ”が閉館を迎えることに。
最終日のオールナイト上映は“日本の戦争映画大特集”。
鑑賞していた毬男(厚木拓郎)、鳳介(細山田隆人)、茂(細田善彦)は、
突然スクリーンの中の世界にタイムリープしてしまう。
最初は何がなんだかわからなかった3人だが、
上映中の戦争映画の中を旅していることに気づく。
やがて原爆投下前の広島に迷い込み、
移動劇団“桜隊”と出会うのだが……。
ごめんなさい。やっぱり私は苦手です。
話にもノリにもまったくついていけなくて。う~む。
しかし、大林監督の作品を観るといつも思うことですが、
好きだという人の気持ちがわからんこともないのです。
「こんなもん誰が好きやねん」じゃなくて、
「好きな人はめちゃめちゃ好きやろなぁ」と思う。
本作も“尾道3部作”に惚れ込んでいる人にはたまらんでしょう。
映画じゃなくて舞台みたいで、とことんファンタジー。
私は最後まで苦手だったけれども、それはそれ。
大林監督が亡くなったことは本当に残念です。
私が苦手な作品を撮りつづけてほしかった。
余命わずかと宣告された監督が睡眠時間2時間で本作の撮影に臨んだとのこと。
毎日終業後に映画を2本観に行って睡眠時間4時間になったところで、監督の倍寝てるがな。
まだまだ私もがんばれそうな気がします。