『YOLO 百元の恋』(原題:熱辣滾燙)
監督:ジャー・リン
出演:ジャー・リン,ライ・チァイン,チャン・シャオフェイ,シャー・イー,
チャオ・ハイイエン,ブー・ユー,シュー・ジュン・チュン,ヤン・ズー他
どうしても見逃したくなくて、日曜日の昼間、これ1本だけ観にシアターセブンへ。
大好きだった『百円の恋』(2014)を中国でリメイクしたら空前の大ヒットを飛ばしたとか。
監督と主演を『こんにちは、私のお母さん』(2021)のジャー・リンが務めています。
彼女、『こんにちは、私のお母さん』のときのデータではジア・リンとなっているのですが、
本作ではジャー・リン、別名ジア・リンとなっています。
シュー・グァンハンのように中国人俳優は名前を使い分けることが多いのでしょうか。
でも、ジャーとジアでは、単にカタカナ表記の問題のような気もするし。
そんなことはさておき、本作の話。
32歳のドゥ・ローインは無職、実家で食っちゃ寝するだけのひきこもり。
体重100キロを超える巨漢で、出かけるときは外食が目的。
見かねたローインの出戻りの妹・ローダンが、テレビ局勤務のいとこ・ドゥドゥに連絡を取り、
無職の人に仕事を紹介する番組にローインを出演させるよう依頼する。
テレビになんか出たくないと、ローインは取材を拒否。
ローダンと大喧嘩になり、ローインはあてもないのに出て行くことに。
母からもらった金でとりあえず部屋を借り、飲食店でバイトを始めたローインは、
店の近所のボクシングジムでトレーナーを務めるハオ・クンに一目惚れ。
ある日クンから誘われて、てっきりデートだと思って出かけたところ、ジム会員の勧誘。
それでも嬉しくて、クンのトレーニングを受けようと入会する。
酔っぱらったクンと勢いで一夜を共にし、有頂天になるローイン。
クンはローインのアパートに転がり込んで、ふたりは同棲を始める。
クンがジムを代表して試合に出場することになると、ローインはすっかり女房気取り。
しかし、八百長試合の話を受けたクンとの仲がいつしかこじれる。
クンと別れた後、ボクサーとなることを目指し、本格的にトレーニングを開始したローインは……。
あれれ、ジャー・リンってぽっちゃりした人だったよね?
ポスターの写真はめちゃくちゃ引き締まった体つき。
本作のために痩せるにしても、こんなに痩せるのは無理でしょう。
ということは、太っている間の顔と体型は特殊メイクなのかしら、
その割にものすごく自然なメイクだわと思ったら。
実際に50キロ落としたとエンドロールで知って驚きました。恐るべき女優魂。いや、監督魂か。
日々体重計に乗り、トレーニングを続け、痩せてボクサーとなる。
その様子はすべて本当で嘘がないから、当たり前だけどものすごくリアルで驚嘆、いや感嘆。
ようやく選手として試合に出場できることになった彼女の対戦相手は10戦全勝のプロ。
打たれても打たれても立ち上がる彼女を見ていたら涙が出ました。
大好きだと言いつつ『百円の恋』は1回観ただけなので、
リメイクの本作とどの辺りが違うのかはほとんどわかりません。
おそらくオリジナルのほうがもっと好きだったとは思うけど、
自ら監督しながら役者としても50キロの減量に挑み、
なおかつ完璧にアスリートの体型になったジャー・リンに驚くばかりです。
ちなみに“Yolo”は本作がアメリカで公開されたときの英語タイトルでもあり、
“You Only Live Once”、つまり「人生は一度きり」。
ジャー・リンが観客に伝えたいメッセージなのだそうです。