『チャチャ』
監督:酒井麻衣
出演:伊藤万理華,中川大志,藤間爽子,塩野瑛久,ステファニー・アリアン,落合モトキ,
中島侑香,佐々木史帆,小林亮太,藤井隆,福山翔大,川瀬陽太,松井玲奈,池田大他
声の出演:原菜乃華,檀鼓太郎,梶裕貴
イオンシネマ茨木にて。
『恋を知らない僕たちは』の舞台挨拶に登壇されていた酒井麻衣監督を見たときは、
華やかな俳優陣と並んでもまったく違和感のない人なのだなと驚きました。
男女関係なく恋愛ものがお好きな様子。
原作があるのかと思ったら酒井監督のオリジナル脚本なのだそうです。
なんとも言いがたい不思議な作品。普通の恋愛ものではありませんでした。
事務所の社長(藤井隆)がどこぞで見つけて引っ張ってきたものだから、
同僚女性たち(中島侑香&佐々木史帆)は絶対社長とデキているなどと陰口を叩いているが、
自由奔放で掴みどころのないチャチャは男ウケがすこぶる良い。それも妬みの種。
陰口には寄らずになりゆきを見つめている凜(藤間爽子)は実は社長のことが好き。
そもそも既婚者の社長とどうにかなるつもりはないのだが、社長と気安く接するチャチャには憧れる。
あるとき、彼が落とした店の鍵を拾ったチャチャは楽に御礼を求め、食事をごちそうしてもらうことに。
予約もせずに向かうとどこも満席で、致し方なく樂はチャチャに手料理をふるまう。
これをきっかけに、樂の家に転がり込むチャチャ。
一方、チャチャと社長の関係が気になる凜はチャチャを尾行。
突き止めた家に後日行って様子を窺うと、同じビルに勤める樂がいるではないか。
チャチャは不在のようで、樂が目隠しをされた半裸の男に水を浴びせている。
凜は、樂は同性愛者なのではないかと考えるのだが……。
野良猫のようなチャチャが常に不機嫌な樂の心を解くという恋愛ものなのかと思いきや、
途中から話はとんでもない方向へ。
以下ネタバレです。
樂は同性愛者ではなく、同ビルの英会話教室に勤務する女性ピオニーに恋していました。
彼女が同棲する護(塩野瑛久)がヒモ状態のクズなのを見て許せなくなって拉致。
チャチャと住む家の隠し部屋に護を監禁しているのです。
護を見つけたチャチャはすぐに解放などせずにしばらくは樂の前でも気づかぬふり。
しかしこのままでは護が殺されてしまうだろうから、助けようとして樂に見つかる。
しまいには護とともにチャチャも殺されそうになり、反撃のタイミングを考えます。
チャチャの言動をずっと好きになれなかったから、樂との穏やかな日々にも若干イラッとしたけれど、
こんなふうにあり得ない展開になるとどうしていいのかわかりません。
好きな人の血を舐めてみたいというチャチャが血の流れる樂の耳に指を突っ込むシーンにはゾーッ。
モン・サン=ミシェルのオムレツは食べてみたいけど。
うーむ、かなり後味の悪い作品です。