『クローブヒッチ・キラー』(原題:The Clovehitch Killer)
監督:ダンカン・スキルズ
出演:チャーリー・プラマー,ディラン・マクダーモット,サマンサ・マシス,
マディセン・ベイティ,ランス・シャンタイルズ・ ウェルツ他
シネマート心斎橋にて3本目。
敬虔なクリスチャンが多く住むアメリカのある田舎町。
16歳の少年タイラーは、両親と妹の4人家族。
父親のドンは地元の名士として崇められ、ボーイスカウトの団長も務めている。
ある日、夜中にドンの車に乗ってこっそり家を抜け出したタイラーは、
気になっている女子エイミーとデート。
いい感じになって助手席を倒そうとしたとき、
エイミーが座席の下に落ちていた写真を見つける。
そこにはボンテージファッションの女性が写っており、
ドン引きしたエイミーはそそくさと帰ったばかりか、
翌日学校ではタイラーが変態だという噂を広められていた。
誓って自分の写真ではない。こんな趣味もないし、逆に気持ちが悪い。
だけどこれは誰の所持品なのか。父親のものとしか考えられない。
タイラーの頭の中には、この町で起きた未解決の連続殺人事件のことが巡る。
もしかすると自分の父親は“クローブヒッチ・キラー”と呼ばれている犯人なのではないか。
誰かに相談したくて友だちに近寄るが、変態扱いされているせいで話を聞いてくれない。
致し方なく、いつもひとりでいる変わり者の女子キャシーに相談すると、
身内が警察関係者だったというキャシーが協力してくれることになって……。
「クローブヒッチ」とは「巻き結び」を指すそうです。
殺害の仕方からそんな名前で呼ばれるように。
10年前にぷっつりと殺人は止んだけど、犯人は見つからないまま。
幸せな家族、優しくて理解あると思っていた自分の父親が殺人犯かもしれない。
気のせいでした、よかった、なんていう話ではありません。
物置やら地下室やらを探ってみたら、犯人を示すものしか出てこない。
息子に探られていることに気づいた父親の怖いこと、ずるいこと。
父親のことを信じたいけど信じられない。
また殺人事件が始まることは止めたいと、タイラーとキャシーは勇気ある行動に出ます。
このふたりの行動は後から「実はこんなでした」と描かれる方式で楽しめます。
カンザス州で1970年代から1990年代にかけて実際に起きた事件をモチーフにしているとのこと。
実在のシリアルキラーの名前はデニス・レイダー。
人となりはウィキペディアに書いてあるものをほぼ忠実に映画で再現しているようです。
スッキリ明るく終わるはずもない話。
でもこうするしかなかったよね。とても不気味な作品。
現実は映画とは異なり、デニス・レイダーは今も服役中です。