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『運命屋』

2024年11月27日 | 映画(あ行)
『運命屋』
監督:森田と純平
出演:ミッキー・カーチス,広山詞葉,伊原卓哉,菊地梨希,高平桃見,竹江維子,甲本雅裕,橋爪功他
 
キノシネマ神戸国際にて、『対外秘』『矢野くんの普通の日々』→これ。
待ち合わせ時間まで50分ほどあったから、30分の短編である本作を観るのにちょうど良し。
 
2年前に終の住処として選んだ北海道名寄市に移住し、そこで撮ったのが本作。
 
元売れっ子ミュージシャンだった時雨奏(ミッキー・カーチス)のもとへ、
ある日“運命屋”を名乗る女性イオリ(広山詞葉)が訪ねてくる。
 
イオリによれば時雨の寿命はあと7日。
寿命を延ばすことも可能だが、その場合は「最も大切な人との思い出の記憶をすべて消すこと」が条件だと言う。
 
時雨の最も大切な人は亡くなった妻。
妻を亡くした後、毎年決まった日にライブをおこない、思い出の曲を演奏していた時雨。
ライブは10日後の予定で、もしも寿命を飲めばそれまで生きてはいられない。
はたして時雨の決断は……。
 
最近「この台詞の日本語おかしくないか」ということがままあって、
それが最初のほうに出てくるとシラけてしまいがちです。
本作ではイオリが時雨に「ご紹介が遅れましたが」という台詞があるのですが、
誰かを誰かに紹介するのではなくて自己紹介するのに「ご紹介が」というのは合ってます?
もう何が合っていて何が合っていないのかすらわかりません(笑)。
 
気にしていると観るのに集中できなくなるので、そこはスルーするとして。
この先ネタバレです。
 
時雨が妻のことを本当に愛していたのは歴然としているから、
彼が妻との記憶を全消しすることなどありえないとイオリは予想しています。
ところが時雨は延命することを選ぶ。
驚くイオリに理由を問われ、時雨は「ライブができなくなるからだ」と答えます。
 
ライブ当日を迎えても時雨がオーナーを務める店に姿を見せず、
記憶を消したことなど知らないスタッフの青年からオーナーがどこにいるか知らないかと聞かれたイオリは、
「時雨さんは来ないと思う」と自信を持って言うのですが、時雨を訪ねると、思い出の曲を歌う彼がいる。
 
この時点で、えっ、奥さんとの思い出の曲じゃないの? それは忘れていないの?と思う私。
イオリにとってそこは別におかしくないらしく、切ない笑みを浮かべながら歌を聴いています。
が、しかし、歌い終わった時雨が妻の話を始めるのですよ。
驚くイオリに「歌うと思い出すんだ。そういうもんだよ」。えーっ。
 
ま、いいけど。忘れる忘れる詐欺にあったみたいな気がしなくもない。(^^;
歌にはそういう力があるんだよということでいいですか。
 
寿命を知らせにくる運命屋。
世の中には老人や病人ばかりじゃないわけで、これが子どもや赤ちゃんならどうなるの。

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