友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

男は何時までも夢を見る

2009年12月18日 20時07分43秒 | Weblog
 65歳ともなるとやはり人生の終末である。もちろん元気な人もいて、80代でも60代の私たちと全く違いがないような人もいる。同じ60代でも人によって様々で、私の身近にも3度結婚し4度目の恋に挑んでいる人もいれば、15年近くも「友だち以上恋人未満」を続けている人もいる。それとは逆に、「恋なんて面倒なものはいらん。ひとりの方が自由でいい」と一人暮らしを楽しんでいる人もいる。どの人の生き方もこの歳なれば「ホンモノ」だと思う。

 15年近くも恋人未満の関係が続いている友だちは、最近ブログにその女性の話が出てこない。そのことを問うと、「彼女が私のことは書かないでと言うから」と話す。私は一度も会ったことがないのでどんな女性なのか知らないが、ああ、思いやりのある女性だなと思った。私が何時だったか彼に、「こんなに彼女のことをブログに書いても大丈夫なの?」と聞いたことがある。その時友だちは「うちの奴はパソコンを見ないから」と言っていた。見ないからいいというものではないだろうと思った。無神経だなとも感じた。

 3度も結婚した人の話をわざわざカミさんにして、おまけに「うらやましい」と言った人がいる。そう思っても黙っているのが普通だろう。「うらやましい」と言う男ほど浮気は出来ないだろうけれど、言われたカミさんはいい気持ちがしないものだ。相手が嫌がるようなことは言わない方がいい。友だちの恋人未満の女性は、万が一カミさんが夫に不信を抱いたなら困るのはあなたでしょうと教えているのだと思う。カミさんがいながら他の女性に心惹かれることを私は非難しないが、わざわざ波風を立てるようなことはすべきではないだろうと思う。

 65歳にもなれば恋などできないと思っていたけれど、最近、失恋した友だちもいた。「愛しているが別れることにした」などとまるで演歌のように格好をつけるので、「愛しているなら、別れなければいいのではないか」と冷やかすと、「俺たちは65だよ。この先はどんどん歳をとる。もう、決して若くなることはないんだぞ。一日一日と老いていく姿を見せるのはゴメンだ。今なら、まだ元気だし、醜くもない。だから今のうちに別れるんだ」と言う。

 そんな話を聞いたので、今日の短歌教室はこんな歌になった。
  1)失恋の友慰めむと共に酔う 可哀想より妬ましさ立つ
  2)傷つけず別れるためと君は言い 演歌のように恋は終わりぬ
  3)日々の暮らしの中に戻りゆく 友だち以上恋人未満
  4)歓びと儚きものは夢のなか 老いて描いた恋語りなり

 私たちの生きる力は何だろうか。「たとえ男女の交わりがなくても、12年以上付き合ってきた一番大事な女友だちと、いつかは海のきれいな南の島を歩いてみたいのだ。そして邪な奴、不純な奴と言われようが、この手で一杯抱きしめてみたい。この邪な望みが落ち込みかけている私をいつも奮い立たせる」と友だちは言う。誠に正直な男だ。ブログを読んでくれている恋人未満に向けて発信しているのだが、だから彼女の方がはるかに思慮深い。

 男は何時までも夢を見るものなのかもしれない。
コメント
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