友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

はだか祭り

2019年02月18日 17時24分58秒 | Weblog

  天下の奇祭、国府宮のはだか祭りが昨日、行われた。風の無い穏やかな日だったから、参加する側も見学する人にもよかった。私は裸になって参加したことはないが、地域新聞を作っていた時は、地元の集団と一緒に国府宮神社まで歩いたことがある。その時も、寒い日ではあったが、風は無くて助かった。みぞれ交じりの時は、出発する写真だけを撮って止めてしまった。

 裸で寒中を練り歩くためには、確かに酒でも飲まなければ寒くて仕方ないだろう。飲み過ぎて途中で倒れてしまう人もいたし、割った1升瓶でケガをした人もいた。そんな姿を見ると、とても裸になって参加したいとは思わなかった。知り合いの中には、今はもう歳だから参加していないだろうが、10年以上参加し続けていた強者がいた。きっと、何か分からない魅力があるのだろう。

 裸男に抱かれると幸せになれるというので、子どもを連れて来て、抱っこしてもらうお母さんがいる。裸男は子どもを抱き、次に母親まで抱いていた。戦前は、裸男の行列を見に行ってはいけないと女の子たちは親から注意を受けた。祭りは無礼講なので、女の子が裸男に無理やり襲われることがあっても、見に行った子が悪いことになるからだ。裸男にはそういう楽しみがあったし、国道の大通りを横切る時は必要以上にぐるぐる回り、交通を遮断することに喜々としていた。学生時代の渦巻きデモを、警察の監視下で行えるのも楽しみだったかも知れない。

 日本は農業国だから、五穀豊穣を祈る「はだか祭り」は意外に各地にある。祭りは神社で行われる神事だが、無礼講という「非日常」であったことは、いかにも日本人らしい。そう思いながら世界各地の祭りを思い出すと、どこも大差ない気がする。祭りはどこでも、非日常であり、道徳や規則に反するものだ。それだけ人間は、縛り付けられた毎日を送っているのだ。「ハメをはずしたい」本音が祭りにはある。

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