冬物の下着では我慢できない暑さになった。バラの蕾は大きく膨らみ、もうすぐ真っ盛りを迎えるだろう。ジャスミンも明日には花を開き、甘い香りを放つかも知れない。我が家のルーフバルコニーは確実に初夏に向かっている。
けれど、世の中は新型コロナウイルス禍でなぜか刺々しい。ニュースなど見なければ憂鬱な気分になることはないのだろうが、家に居ればテレビを観ない訳にはいかない。自粛のお願いを受け入れないパチンコ店、「店に入るな」と怒鳴る男は客や店員を写そうとして揉める。
静かな駅舎と人出のある下町の商店街、観光地の駐車場は閉鎖され、道路に駐車の列が出来ていた。不安は恐怖を呼び、他者への攻撃がひどくなっている。子どもたちは無邪気に公園で遊んでいるが、それも受け入れられない大人がいる。
「母からしつこく、『消えろ、消え失せろ』と大声で言われ、物を投げつけられた。これって虐待ですか?」と、子どもが相談している記事があった。夫とは1日のわずかな時間しか接点がなかったのに、今はズーと一緒にいるのでイライラするという投書もあった。お互い様なのに、どうしても相手に「非」を見てしまう。
みんながイライラして攻撃的になっている。私は何時だって逝くつもりでいるからいいが、若い人たちはこれからも生きていかなくてはならない。感染しないか、生活していけるのか、いったい何時までこんな生活が続くのか、不安なことばかりでイライラが募るのも無理はない。
どうしたらよいのか、名案は浮かばないが、ひょっとするとこれは大きな転機なのかも知れない。事態をしっかり受け止め、自分はどう生きるのか、考えるチャンスなのかも知れない。年寄りの戯言なのか?